テレプレゼンスロボットで給食室を模擬探検!取手市が子どもたちの食への関心を高めるICT×食育授業を実施 

取手市教育委員会では、子どもたちへの食への興味や関心、理解を深めるためさまざまな取り組みを行っており、この度、公益財団法人パナソニック教育財団の助成により、取手市立取手西小学校(取手市稲70)にて、最新のICT機器を活用して、2023年9月27日に学校給食に関連付けた生活科の授業を実施したことを、同年10月12日に発表した。

給食室で稼働するkubi(左)と揚げパンを仕分ける調理員(右)

参考画像 「Kubi」(Kubi Plus)の外観イメージ


給食室模擬探検授業の概要

授業では、給食室に設置した左右に300度、上下に90度、自由自在に稼働する、テレプレゼンスロボット「kubi」を教室にある数台のタブレットとつなぎ、大型提示装置にも同じ動画をうつしだした。教室にいる児童が「kubi」を遠隔操作し、調理が進む給食室の状況をリアルタイムで観察する。

タブレット端末から給食室の様子を観察

栄養士による映像解説や現場にいる調理員とのオンライン交流によって、自身が食する給食に、より深い理解と関心を持てるよう促し、さらに、給食後の食器洗いや片付けの状況もリアルタイムで観察した。自分たちの食べ残しや給食用生ゴミ処理機から作った堆肥などを見ることを通じて、食品ロスへの意識づけを行うとともに、生活を支えてくれる人々への感謝の気持ちを育てることを目的としている。



参加した児童の感想

参加した児童からは「給食室は、少ない人数でいろいろな役割がある人が働いていた」「お皿は汚れをきれいに落とすため、1回だけでなく、何回も洗う必要があると分かった。」「おいしい給食を作ってくれている調理員さんに感謝したい。もったいないので、食べ残しをしないよう気をつけたい。」といった感想が寄せられた。

映し出される給食室の映像に興味しんしん

取手西小学校 石塚 康英 校長

本校では先進的な教育の実現に向け、各種研究助成等への応募を積極的に行っています。テレプレゼンスロボットも、こうして獲得した資金で整備をしました。児童がタブレット端末でロボットを操作しながら、日常の教室では経験できない「新しい景色」に触れることでその世界を広げ、自分事としての課題意識を高めた上で、自分の思いや考えを豊かに表現してほしいと願っています。




学校給食を通じた取手市教育委員会の食育への取り組み

同教育委員会では、今までにも以下のような食育への取り組みを行っている。


食品ロス削減

国が定める毎年10月の食品ロス削減月間をはじめとして、子どもたちが給食と各教科を中心とした学びを通して食品ロスを意識することで、「残さず食べる」、「食べ物への感謝の心を持つ」など望ましい食習慣を身に付けることができるよう取り組み、令和4年10月から学校給食で提供する一部根菜(ニンジン・ダイコン・レンコン)の皮をむかない取り組みを始めた。これは、本来食べられる根菜の皮が捨てられてしまう食品ロスを減らそうと提案されたもので、さらに、皮をむかない一部根菜や茎まで使うブロッコリーを中心に組み立てたSDGs給食が市立小学校・中学校で提供されている。

食品ロス削減に配慮した「SDGs給食」



取手市立永山小学校での「デザート選挙」実施

社会科で選挙制度について学んだ小学校6年生たちが、令和5年3月の給食で提供される卒業のお祝いデザートを本格的な選挙形式で選んだ。デザートの材料や献立に関心を持ち、食育の視点の一つである「食品を選択する能力」を養うとともに、選挙のやり方や意味を学び、選挙への関心を深めるための取り組みとなっている。

お祝いデザート選出選挙の投票用紙や候補の掲示

本物の投票箱で実施されたデザート選出選挙

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ロボスタ編集部

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