5G SA通信を利用した「クラウド型モビリティデバイス基盤」の開発と実証実験に成功 NTTコムら5者 5G SAとは?

NTTコミュニケーションズ株式会社(NTTコム)ら5者は「5G SA」を利用したクラウド型モビリティデバイスプラットフォームの開発と実証実験を2023年9月26日に新潟大学で行ない、成功したことを発表した。
この開発および実証は、株式会社エムスクエア・ラボが受託したNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の委託事業として行ったもの。

5者とは、株式会社エムスクエア・ラボ、株式会社GClue、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科、株式会社ON BOARD、NTTコム。


そもそも「5G SA」とは何か

「5G SA」とは、5G専用のコアネットワーク「5GC」(5G-Core)と、5G基地局を組み合わせて通信する方式のサービス。現在提供されている5Gよりも、さらに高速通信が利用できるとされる。NTTドコモは、2022年8月にスマートフォン向けにスタンドアローン(Standalone)方式を用いた5G通信サービスとして提供している。


モビリティデバイスの普及には低コスト化と安全性の確保が課題

非都市部における人口減少・高齢化が進む中、人の移動手段の確保や物流の維持を目的にモビリティデバイスの検討が進んでいるが、その社会実装にむけて低コスト化と安全性の確保が課題となっている。
このような課題を解決するため5者は、モビリティデバイスの機能の大部分をクラウドへ移行することで低コスト化をめざすほか、「5G SA」などの高速通信を利用し、迅速にモビリティデバイスの制御を行うことで安全性を確保するための検討を行ってきた。


各者の役割

今回の実証実験での各者の役割は下記の通り。

エムスクエア・ラボ、GClue:
 モビリティデバイスの開発
東京大学大学院工学系研究科、ON BOARD:
 クラウド型モビリティデバイスプラットフォームの開発
NTTコム:
 本実証への5G SAおよびdocomo MECの提供


開発したモビリティデバイスプラットフォームの概要

クラウド型モビリティデバイスプラットフォームとは、モビリティデバイスの機能の大部分をクラウドに移行することで、1つのモビリティデバイスを複数の用途で活用できるようにする仕組み。物理的なモビリティデバイスと、モビリティデバイスの頭脳となるデバイスマネジメントシステムから構成される。


モビリティデバイス

移動機能を中心として共通的に利用する「移動ロボット」部分と、各ユースケースに特化した「用途ごとロボット」部分を組み合わせて着脱できる構成を採用することで、「用途ごとロボット」部分を変更するだけで、さまざまな用途で活用できるモビリティデバイスに変更できる。


デバイスマネジメントシステム

モビリティデバイスの機能の大部分をクラウドに置き、クラウド上にあるアプリケーションを選択して使用することで、「移動ロボット」をさまざまな用途に対して柔軟に適用することが可能となる。また「5G SA」や「docomo MEC」(エッジコンピュータ)を活用することで低遅延・高精度でのモビリティ制御ができる。


外部システム連携

外部システムとデバイスマネジメントシステムが連携することで、1つのモビリティデバイスを複数の用途で活用することが可能となる。外部システムとしては、農業用や工場用などの「用途ごとロボット」用アプリが例として挙げられるとしている。

クラウド型モビリティデバイスプラットフォーム構成図


本実証の概要

この事業において開発したクラウド型モビリティデバイスプラットフォームの有効性を検証するため、以下の実証を行なった。なお、本実証はロボティクスに関する研究を実施しており走行試験に適した環境を有している新潟大学の協力のもと、新潟大学構内で実施した。




・モビリティデバイスで前方の映像を撮影しながら走行させ、クラウド上での映像解析により障害物を検知した際に車両を自動的に停止させる制御機能を検証

・遠隔制御の低遅延化に必要な通信性能や、映像伝送や車両停止に関する遅延時間の測定

・障害物を検出してからモビリティデバイスが実際に停止するまでの距離・時間などを検証


クラウド型モビリティデバイスを実用化段階まで到達する成果を達成

本実証により、モビリティデバイスからクラウドへの映像伝送、クラウドでのデータ処理・解析、またモビリティデバイスへのフィードバックに関する一連の流れを低遅延で実現出来ることを確認し、クラウド型モビリティデバイスを実用化段階まで到達させることができた。

<実証の具体的な成果>
・5G SAの高速通信を利用することで、時速6kmで走行中のモビリティデバイスが、 障害物の自動検出から1m以内の距離で自動停止できること
・複雑な走行ルートを走行できること
・遠隔操作は操作者の違和感なく遠隔操作できること


今後の展開

今後、5者は、モビリティデバイスプラットフォームに関する技術を進化させながら様々なユースケースへ適用していくことで、地域における人の移動手段の確保や物流の維持という社会課題の解決に貢献していきたい考えだ。
株式会社エムスクエア・ラボ、株式会社GClue、東京大学大学院工学系研究科、株式会社ON BOARDは、多様な「用途ごとロボット」の技術開発を行い、NTTコムは5G SAやdocomo MECなどの通信環境の提供により技術開発の支援を行う。

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ロボスタ編集部

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