三精テクノロジーズ株式会社は「ジャパンモビリティショー2023」で、SF映画のような巨大4足歩行型ライドの新型プロトタイプ「SR-02」を公開した。天神英貴氏の協力でスタイリッシュなデザインの外装が施され、V-Sidoやメカ部分のブラッシュアップによってスムーズで安全な歩行に磨きがかかっている。まさにSF映画に出てきそうなモビリティとなっている。
ロボット制御システムは横浜ガンダムと同じ「V-Sido」搭載
ロボット制御システムには横浜の「動く実物大ガンダム」(GFY)と同様の「V-Sido」(ブシドー)が採用されている。乗員が乗り降りしやすいように脚部を折り曲げた状態で待機し、歩行時には立ち上がり、脚を一歩ずつ上げて歩行する。取材当日は安全のためにすり足での歩行が披露された。
前進だけでなく、後退、その場での360度転回もできる。また、体を振る動作「揺動」も可能だ(下の写真)。
足を折り曲げてしゃがんでいて、人を載せると歩き出す・・・そんな動きを動物に例えるとなんだかラクダのようだが、実物は本当にSF映画を観ているようで未来感に溢れている。
■SF映画みたいな全高2mの「4人乗り巨大4足歩行型ライド」新型SR-02を公開
取材当日は安全のためにすり足での歩行が披露されたが、足を上げての通常歩行は下の動画を確認して欲しい。動画後半に「揺動」の動きも収録されている(動画提供:吉崎航氏)。
「SR-01」と「SR-02」
三精テクノロジーズは、遊戯機械事業において世界トップレベルのシェアを誇るメーカーで、今回の「SR-02」の他に、クルマに変形できる搭乗型ロボット「SR-01」もある。東京と大阪で開催された前回のコミックコンベンション(コミコン 2022)では「SR-01」と「SR-02」の両方が展示された。
三精テクノロジーズの取締役常務執行役員 CTO 昇降機事業本部長の宮﨑和也氏は「フレーム強化、ベルトやギヤ等のメカの改良、歩行ソフトウェアの調整等を行い、初代よりスムーズな歩行が可能になった」という。また「安全装置を装備した。ジャイロセンサーとV-Sidoによって姿勢を制御し、今では転倒しないレベルに開発は達しているが、安全性を更に追求して、大阪・関西万博の時期には一般の方にも乗車してもらうことを目標に開発している」とした。
筆者も乗車体験
この日、筆者も乗車する機会を得たので早速体験させてもらった。せっかくなので、SR-02のシートから見た景色や、歩行時の揺れ具合なども動画でお届けしたい。
余談だが、ジャパンモビリティショー2023では、南棟に全長4mの「アーカックス」が、そして西棟ではこの「SR-02」が、搭乗型ロボットとして展示されている。いずれも横浜の実物大動くガンダムの開発にあたった2人が関連している。テクニカルディレクターを担当した石井氏がアーカックスのツバメインダストリのCTOを、システムディレクターを担当している吉崎航氏がV-Sidoの開発リーダーだ。
今後も、「SR-01」「SR-02」、更には「アーカックス」についても続報があれば、ロボスタ誌面でドンドンお伝えしていきたい。
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。