【公道初】移動型エンタメ体験システム「MOOX-RIDE」搭載のバスが試験走行を実施 ABALとトヨタ紡織が共同開発

XRソリューションを提供する株式会社ABALは、2023年11月21日に開催された常滑商工会議所創立50周年記念式典において、トヨタ紡織株式会社と共同開発した移動型エンタメ体験システム「MOOX-RIDE」を搭載したデジタルコンテンツバスの試験走行が実施されたことを発表した。

「MOOX-RIDE」初となる同試験走行は、愛知県が推進する「あいちデジタルアイランドプロジェクト」において実施している5つの実証実験のうちの一つ、「人流・属性データを活用した行動変容」の一環として行われたもので、中部国際空港島及び周辺地域の回遊機会の向上を目的としている。


当日は大村秀章・愛知県知事をはじめ、常滑商工会議所創立50周年記念式典に出席された国会議員、常滑市長、県内商工会議所会頭、商工会会長など、計25名が実際に試乗し、公道では初めての試験走行となった。



「MOOX-RIDE」について

「MOOX-RIDE」とは、ABALが資本業務提携をしているトヨタ紡織と共同開発する移動型エンタメ体験システムだ。車内に設置した、透明ディスプレイや振動装置、ミスト装置、立体音響システムなどのデバイス群を連携させることで、車両の位置情報や車窓の景色に連動して映し出されるVR/ARコンテンツを五感で楽しむことが可能。さらに、乗客のスマートフォンとコンテンツが連動するインタラクティブ機能も備え、ゲームなど乗客参加型のアクティビティで移動時間を自在に活用することができる。車室空間に上質なエンターテイメントコンテンツを掛け合わせた、移動空間の新しい価値を創出するものであり、同社はコンテンツ制作及び、コンテンツを制作するためのSDK開発を担当している。


「MOOX-RIDE」を実現するソリューション
MOOX-RIDE SDK トヨタ紡織とABALが共同で開発した、「MOOX-RIDE」向けコンテンツを作開発するためのSDK(ソフトウェア開発環境)。実際の車両を利用しなくても、車窓に映し出されるコンテンツの映像をVRゴーグルで確認できるシミュレーター機能など、さまざまなコンテンツクリエイターが制作に参画するための機能を搭載している。
Compass 同社が開発した、全ての体験を繋げるUX連携ソリューション。乗客のスマートフォンと車窓に映し出されるコンテンツを連動させるインタラクティブ機能を搭載し、観光情報の展開のほか、クイズやゲームなど乗客参加型のアクティビティを提供できる。その他、ライブ配信といったコンテンツから、EC機能・モバイルオーダー・チケット発券といった決済機能まで、ツアーの内容に応じて提供可能だ。




同試験走行の概要と試乗者の様子

今回の試験走行では、中部国際空港第2セントレアビル北口駐車場を発着地とするルートAと、同駐車場を出発し常滑駅を到着地とするルートBの2つのルートを走行した。車内に設置された透明なディスプレイでは、ルートAでは中部国際空港島内のグルメ情報や「フライト・オブ・ドリームズ」といった施設情報についてのコンテンツが、ルートBでは「INAXライブミュージアム」やとこなめ見守り猫「とこにゃん」といった常滑市内の観光情報についてのコンテンツが車窓の景色に連動しながら投影され、知多半島のご当地キャラクター「知多娘。」のメンバーである「知多みるく」がバスガイドとなり案内した。




今回、乗車者からは「車窓の風景と連動した演出が行われていて、移動が楽しくなる」との声が上がっている。両社は、2024年春に愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」を会場として開催されるSMART MANUFACTURING SUMMIT BY GLOBAL INDUSTRIEでの本格走行を目指して移動空間の新しい価値を創出する「MOOX-RIDE」の開発を進めて行く予定であり、同走行は、来年の本格走行への期待が高まる結果となった。


あいちデジタルアイランドプロジェクト:https://www.pref.aichi.jp/site/aichi-digital-island-pj/
関連サイト
株式会社ABAL

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