みつばコミュニティが自動運転車両のオペレーター・遠隔監視業務に参入 自動運転時代の新業種へ 四日市市モビリティ実証実験

送迎バス運行を専門に運転手の派遣および運行管理サービスを行っている株式会社みつばコミュニティは、自動運転車両のオペレーター・遠隔監視業務に参入することで、地域の移動を支え持続可能な社会づくりに貢献していきたいと考え、株式会社マクニカと連携し、11月1日から19日までの期間、三重県四日市市にて自動運転EVバスを活用した実証実験に参加した。みつばコミュニティは、将来的には全国規模で自動運転車両のオペレーター・遠隔監視業務を担うことを目指し、自動運転市場の一翼を担う新業種を築いていく考えだ。

この実証実験では、ハンドル・アクセル・ブレーキのない自動運転EVバス「ARMA(アルマ)」が、近鉄四日市駅とJR四日市駅間を結ぶ中央通りを走行。約1,180名の利用者が乗車した。同社は自動運転EVバスのオペレーターとして、ARMAの運行と、市役所内に設けられた遠隔監視センターでの監視業務を担った。

今回の経験を通じて、同社は、将来的には全国規模で自動運転車両のオペレーター・遠隔監視業務を担うことを目指し、自動運転市場の一翼を担うことで公共交通における人材不足の課題解決に貢献し、地域の足となって社会に価値を提供していくと述べている。




みつばコミュニティの業務内容

同実証実験において、同社は、自動運転EVバスARMAのオペレーター業務と遠隔監視センターでの監視業務を担っている。


自動運転EVバスARMAのオペレーター業務

自動運転車両の運行には、運転免許証に加えてオペレーター資格が必要です。この資格取得のため、当社に所属する大型免許所持者がトレーニングを受講し、警察による審査を経て、7名のオペレーターが誕生した。実証実験期間中は、1日3名でシフトを組み交代でオペレーター業務に従事する。ARMAは事前に設定されたプログラムに従って自動走行し、赤信号を検知した際や、交差点の手前では自動的に停止。オペレーターの業務としては、発信時の周囲の安全確認や、進行先の障害物を回避する際にコントローラーを使って操作し走行することなどが求められる。





遠隔監視センターでの監視業務

自動運転車両を安全に運行するため、市役所内に設けられた遠隔監視センターで、終日監視業務を行った。自動運転車両の車内外に設置されたカメラの映像をリアルタイムで監視し、危険がないか確認する。





乗客の方からのコメント

今回の実証実験では多くの地元の人が乗車しており、乗車した人から、以下のような感想をもらった。

乗車した方

普段自動ブレーキが搭載された車に乗っていますが、走行まで自動運転でできることに驚きました

小学生の児童

ハンドルがなくてすごい!学校で実証実験のチラシをもらって乗りたいと思っていた。乗ってみたら楽しかった



また、同社オペレーターの小川令子さんと事業・企画開発部部長の武野和音氏からもコメントをもらっている。

みつばコミュニティオペレーター 運行管理アドバイザー 小川令子さん

自動運転車両の運転には専用のコントローラーを使用します。通常の車のハンドルとは全く違う感覚で、非常に繊細な操作が必要です。時速15キロ程度で走行するため、車道を走る他の車両にも注意を払いながら運転する技術が求められましたが、創業から約30年、送迎バスの運行管理を専門に、お客様に高い技術と安全・安心なサービスを提供してきた当社だからこそ、新しい分野である自動運転のオペレーションについても自信を持って挑戦できると感じました。

みつばコミュニティ 事業・企画開発部 部長 武野和音氏

乗客の方と会話したとき「実証実験期間中、毎日通勤時間に利用しています」と教えてくださった方がいました。実証実験ではありましたが、地域の方にとって既に日常の移動手段として機能していることを実感し、自動運転車両の可能性を感じました。
今回初めてオペレーション業務と遠隔監視業務を担った経験を活かし、みつばコミュニティとしてより幅広く自動運転事業に携わり、全国各地のさまざまな地域で新しい移動手段の提供に貢献できればと願っています。



▼実証実験の概要

日程 2023年11月1日(水)~11月19日(日) ※月曜日除く
時間 10時~16時 ※1日13便
自動運転車両 自動運転EVバス ARMA
ARMA:EV(電気自動車)仕様、自動運転システム搭載のシャトルバス。定員6名・最高時速18キロ・自動運転レベル2 ※技術的にはレベル3相当
走行ルート 「JR四日市駅前ロータリー」と「近鉄四日市駅前ロータリー」を往復する周回ルート ※片道約1.1km




同社の過去の実証実験実績

▼横浜市旭区若葉台団地にてオンデマンド×コミュニティバスの実証実験

期間 2020年10月1日~10月30日
場所 横浜市旭区若葉台団地
利用者数 1,052名
概要 ⼀般財団法⼈若葉台まちづくりセンター、ヨコハマSDGsデザインセンター、MONET Technologies株式会社と連携し、団地でのオンデマンドバス実証実験を実施。時刻表や運行経路の決まっていない予約制の乗合バスで、利用者が乗りたい場所や時間を予約し、それをもとにAIが効率的な配車や運行ルートを決定します。利用者様の利便性向上と共に、効率的な運行による燃料費・車両削減を達成し、環境負荷低減(ガソリン消費量・CO2排出量削減)にも貢献した。

▼横浜市都筑区にて預かり保育後のオンデマンドバス送迎

期間 2022年5月16日~7月15日
場所 神奈川県横浜市都筑区 認定こども園エクレス幼稚園
利用児童数 23名
概要 スペア・テクノロジーソリューションズ株式会社、学校法人岩谷学園と連携し、幼稚園預かり保育後の送迎をオンデマンドバスで実施。AIを使用することで、送迎時間の個別対応や、幼稚園と各家庭を効率よく結ぶルートでの運行を実現し、保護者様の送迎負担を解消した。


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ロボスタ編集部

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