Amazon、スマートホームの新製品「Echo Hub」発売 Echo利用率の推移や国内スマートホーム市場分析を公開

Amazonは、本日9月21日、Alexa対応のスマートホーム製品やスマートリモコンに接続した家電を一括で操作できるスマートホームコントロールパネル「Echo Hub」(エコーハブ)を発表した。8インチのディスプレイを備えている。価格は税込25,980円。販売(出荷開始)は22日から。

「Echo Hub」の外観。報道関係者向け発表会では、スマートホームを見立てた部屋が用意されて、Echo Hubからはスマート製品の「スタンドライト」「リビングのシーリングライト」「加湿器」「ブラインド」「ルンバ」「扇風機」などをホーム画面からON/OFFの制御ができるようになっていた。室温は23.9℃

ライトスタンドのON/OFFもEcho Hubから操作できる

コーヒーメーカーもON/OFFできる。「定型アクション」機能を使うと(後述)、「おはよう」という指示でカーテンが開いて、エアコンがONになり、コーヒーメーカーがONなるといった自動連動の設定もできる

寝室にわざわざ確認しに行かなくても、Echo Hubの画面女でスタンドライト、テレビ、Echo、カーテンなどの状況を確認することができる。スイッチのON/OFFも行うことができる

Amazonは発売に先立ち、報道関係者向けに発表会を開催し、Echoシリーズの状況、スマートホーム市場の状況などを解説した後、「Echo Hub」の特徴とデモを行なった。

アマゾンジャパン合同会社 Amazonデバイス事業本部Amazon Echo事業部・スマートホーム事業部 部長 宮澤一聡氏


「Echo Hub」とはスマートホームコントロールパネル

米国Amazonは、スマートホームコントロールパネル「Echo Hub」は2023年9月に発表している。その製品を日本国内向けにも販売することになった。「Echo Hub」は「Echo」シリーズではあるもののスマートスピーカーのように音楽や朗読等を楽しむ機器ではなく、Echoや照明器具、ロボット掃除器など、様々なスマートホーム対応製品を一括で制御・管理・運用するスマートホームコントロールパネル機器となっている。

スピーカーは搭載されているが、スマートホーム制御の音声、ドアベルやEchoシリーズを通しての会話等で使用するもので音楽鑑賞には適していない。

Introducing Echo Hub | Amazon Alexa




Echo製品のユーザー推移とスマートホーム市場

まず気になるのはEcho製品の販売や利用の推移と、日本でのスマートホーム市場の現況だ。


Echoの月間アクティブユーザー数は3.5倍に拡大

宮澤氏はEcho製品のユーザー推移は「非常に伸びている。2019年と比較して3.5倍の月間アクティブユーザーに伸張している」と語った。特に2020年~2022年のコロナ禍に自宅で過ごす時間が増えたことで、EchoやAlexaの利用が増加し、家族では台数を買い増すという傾向も見られ、販売台数としても飛躍したと続けた。いずれにしてもAlexaの利用度は右肩上がりに伸びているようだ。



スマートホーム製品がDIYカテゴリーのトップ10の大半を占める

また、Echo活用の起爆剤のひとつになっているのがスマートホームだという。Amazonでは売れ筋ランキングを常に集計・公表しているが、約2ヶ月前におこなったセール「ブラックフライデー」では、スマートホームが含まれているカテゴリーのトップ10の多くがスマートホーム製品が占めるようになってきた、と語った。「トップ3はスマートホームが独占している」と強調し、「日本においてもスマートホーム製品が上位を占めるようになり、普及してきたことを感じる」とした。



Alexaに対応したスマートホーム製品は4倍に

次に重要となるのが、需要が高まっているスマートホーム製品だが、Alexaに対応した製品は増えているのかという点。宮澤氏は「Alexa対応製品数は2019年から2023年にかけて4倍以上に増えていて、数千種類がラインアップされている。実際にEchoをスマートホーム製品と連携して使用しているユーザー数の推移は更に急増していて、2019年と比較して2023年は7倍の水準に達している」とした。



1年間に10台以上のスマートホーム機器を購入しているユーザーが増大

最後に、1年間に10台以上のスマートホーム機器を購入しているユーザー数を紹介した。Echo等を通じてスマートホーム製品に使い慣れると、どんどんとスマートホーム機器を買い増す傾向にあり、2020年から2023年にかけて2.5倍以上に増えていて、その利便性は使えば理解させるという領域に達してきているようだ。


こうした市場の背景を受けて「スマートホーム製品をEchoでより簡単に操作したいという需要が高まっている」として、「Echo Hub」発売への期待を語った。


スマートホーム製品を簡単にコントロール「Echo Hub」の特徴

「Echo Hub」は、8インチのディスプレイを備えたスマートホームコントロールパネル。ホーム画面に表示されるウィジェットはカスタマイズ可能で、照明器具の調整、玄関などに設置したスマートカメラの映像の確認、音楽の再生、ロボット掃除器の操作などを手軽にコントロールできる。

画面はユーザーが使用しやすいように、画面はよく操作するスマートホーム製品や家の中の情報でカスタマイズできる。

画面のカスタマイズのユースケース。部屋単位でスイートホーム製品デバイスで集めて表示した例(左)と、お気に入りのデバイスで集めた例


スマットショット(マルチビュー機能)
複数のRingカメラやセキュリティカメラを使用している場合は、Echo Hubに画像を集約して表示することができる

複数のRingカメラを使用している場合は、マルチビュー機能でカメラ映像を一度に表示して、室内外の様子を確認することができる。筆者も玄関にRingを使用し、訪問者の確認をおこなっているので、Echo Hubに接続したいと思う


「定型アクション」で一括操作も

単体のEchoシリーズでも、Alexaの機能として、1つのフレーズ(例:「アレクサ、おやすみ」)という発話や、決まった時刻に、天気情報や音楽を流す、ニュースを読み上げるなど複数のことをセットで実行してくれる機能として「定型アクション」が用意されている。


Echo Hubでは、画面の設定を使って、ドアのロックや開錠、照明の明るさ、エアコンの調整など、スマートホーム製品の一連の操作を「定型アクション」として事前に設定することができる。具体例としては「Alexa いってきます」というコマンドで、エアコンOFF、照明OFF、BGMがOFFになり、カーテンが閉められ、ロボット掃除器が作動する(留守中に床清掃)、といったスマートホーム機器への一連の指示が一斉に送ることができる。朝の定型アクションや帰宅時の定型アクションも活用すれば便利だろう。

■Amazon Echo Hub デモ、スマートホーム製品の制御、マルチビュー、定型アクション、音楽鑑賞



ユーザが近付くと操作画面に切り替わり

ユーザがEcho Hubを使用していないときは、お気に入りの写真や時刻などが表示され、自宅の環境に自然に溶け込んでいるが、ユーザがEcho Hubに近づくと、搭載した近接センサーが検知して、ディスプレイにホーム画面が自動表示される。


なお、Echo Hubは、Zigbee、Thread、Bluetooth、Matterの規格に対応したスマートホームハブを内蔵しており、多くのカメラ、照明、ドアのロック、スマートプラグ、エアコン、スピーカーなどに対応している。

まずはEchoシリーズと連携して、BGMの制御からはじめてみるのもいい


Ringデバイスとの連携、スナップショット機能

「Echo Hub」にはスナップショット機能が搭載されている。スナップショット機能とは、接続しているカメラで撮られた画像をEcho Hubに表示させる機能。スナップショット画像はEcho Hubにいつでも表示できる。現時点でスナップショット機能はRingデバイスのみ対応。なお、Echo Hubは接続しているカメラのライブ映像を表示させることも可能だ。この機能はRingデバイスおよび、その他のAlexa対応カメラにも対応している。




プライバシーに配慮した設計

Echo Hubは、何重ものプライバシー保護対策を用いて設計されているという。マイクのオン/オフボタンも搭載し、Echoによる自分の音声の記録や録音を制御することができ、いつでも閲覧、聴取、削除が可能。Alexaとユーザーのプライバシーについては、詳しくはこちら( https://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=6971545051 )を参照のこと。


環境にやさしい設計

Echo Hubの梱包材の97%は、適切に管理された森林やリサイクル資源から調達された木質繊維でできているという。またデバイスを使用していない時は、消費電力を抑える低電力モードに切り替わり、デバイスの耐用年数にわたってエネルギーを節約することができる。Amazonの再生可能エネルギープロジェクトは、2025年までにすべてのユーザーのEchoデバイスが使用する電力に相当するクリーンエネルギーを生産する予定とのこと。

設置は壁掛けが前提で、タッピングビスで固定するタイプの一択。賃貸物件では壁に穴をあけるのは抵抗があるケースも多いので、スタンドタイプも用意してほしかったところだ。

Amazonによれば、右肩上がりで需要が拡大しているスマートホーム市場。Echo Hubがそれらの普及を加速させることを期待したい。なお、ロボスタでもEcho Hubのレビューをロボスタなりの方向からおこなう予定なのでお楽しみに。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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