櫻坂46メンバーが中国語を話す?NTT西日本がクロスリンガル音声合成とソニー「Sound AR」を連携 声質そのままで中国語に変換

NTT西日本は、アーティストやアニメ等の音声価値に着目し、位置情報と音声情報を組み合わせ、特定の場所に行けば、設定された音声が流れる「音声AR」を活用した「日本のエンターテイメントのグローバル展開」と「旅行者の観光体験や楽しみ」両方の拡大をめざす実証実験を、2024年3月1日からひらかたパーク及び大阪城エリアを含む大阪京橋駅周辺にて実施している。

今回行われている実証実験では、NTT人間情報研究所が開発した英語・標準中国語・広東語・韓国語に音声合成が可能なクロスリンガル音声合成技術と、ソニーのSound ARサービス「Locatone(ロケトーン)」を活用し、多言語による新たなエンターテイメントの可能性を探るとしている。

訪日外国人観光客に音声で新しいエンタメ体験を

2023年12月の単月の訪日外国人観光客は273万人とコロナ前の2019年12月の253万人を上回り、約350万人の海外来場者を見込む2025年の大阪・関西万博の契機もあり、訪日観光客の増加トレンドはさらに加速すると見込まれている。また、アニメや漫画の舞台となった土地や建物を訪れる聖地巡礼やアーティストのライブに国境を越えてファンが集まるなど観光資源としてのポップカルチャーの価値へ注目が高まっている。

上記を踏まえて、ファンを多く持つアーティストやキャラクターの音声価値に着目し、新たなエンターテインメントサービスとそれにより生み出される新たな価値の可能性について実証実験を実施することにしたとのこと。

ソニーの技術協力で「LocatoneとNTTクロスリンガル音声合成技術」を連携

今回の実証実験では、ソニーの技術協力によりLocatoneにNTTのクロスリンガル音声合成技術を組み合わせて、マップ上にある特定のスポットを訪れると、位置情報に連動して、自動的に多言語での音声が聞こえてくるというコンテンツを提供する。

実施内容としては、櫻坂46のメンバーから収録した日本語音声を「本人の声質による中国語コンテンツ」に変換して、大阪京橋エリアで日本語・中国語それぞれのコンテンツとして一般の方々に体験してもらうという内容だ。



また、京阪電鉄株式会社の協力により、ひらかたパーク園内で実施されている新感覚音響ツアー「田村保乃・山﨑天の『ひらパーみみぴく』」の日本語コンテンツにも、中国語コンテンツを提供する。



これらの取り組みから、言語の壁を越えたファン拡大の実現可能性だけでなく、エンターテイメント施設や地域観光資源の価値向上や、訪日客の地域周遊促進の可能性についても検証するとしている。

実施内容 櫻坂46田村保乃さん、山﨑天さん本人の声質による中国語コンテンツを作成し、台湾からの訪日観光客・ファンに提供。
ユーザーインタビューやコンテンツ利用率・周遊範囲等のデータを収集。
体験内容 音声AR技術により、スポットを巡るとその場所に応じた音声が自動的に再生される。さらにその音声は、クロスリンガル音声合成技術で、日本語で収録された声データを本人の声質のまま中国語へ変換されたもので、あたかもアイドル本人が中国語で話しているように聞こえる体験が可能。
実施期間 2024年3月1日~2024年5月6日
実施場所 1:大阪京橋エリア周辺(京橋商店街、桜ノ宮公園~造幣局、大阪城公園、大阪城ホール、QUINT BRIDGE)
2:ひらかたパーク(大阪府枚方市枚方公園町1-1)


実証実験への参加方法

本実証実験に参加希望の方は、下記サイトより申し込み。(ひらかたパークでの実証のチケット料金等にかかる各種費用は参加者負担となります。)


今後の展開について

NTT西日本は、ステークホルダーと共に、コンテンツの権利保護やアーティストの同意管理等コンテンツやアーティストの権利を侵害しない仕組みづくりを検討しつつ、アーティストやキャラクターの持つ音声価値を高めていき、日本のエンターテイメントのグローバル展開拡大と旅行者の体験や楽しみがより高まる健全な市場創造をめざすとしている。

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ロボスタ編集部

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