メルセデスベンツが工場内でヒューマノイドロボット「Apollo」を試験導入 ヒト型ロボットのメリットとは
Apptronikは、SNSを通じてメルセデスベンツと協力して、製造工場のスタッフとしてヒト型ロボット「Apollo」を試験導入したことを発表した。「Apollo」はNVIDIA Jetsonを2基搭載し、Isaacプラットフォームのシミュレーション環境でトレーニングされた。
同社は「身体的負担が多く、人々がやりたがらない反復中心で単調な作業を自動化する最先端のテクノロジーを提供できることを大変うれしく思っています。これはほんの始まりです」と伝えている。
自動車などの生産工場では従来から、ロボットの導入は盛んに行われてきた。例えば、塗装やスポット溶接(決まった位置に溶接する板金作業)など、正確な作業を繰り返し行い、同じ精度で仕上げることはロボットに向いている。
一方で、生産ラインを組み替えたり、作業内容の変更を行う際には、大きく重たいロボットや作業ライン用のレールなど、工場の設備に大幅な変更を行う必要があった。これらを減らすため、レールなどの敷設が不要な自動搬送ロボット等の活用が始まっている。
ドアを開け閉めしたり、階段を登り降りしたり、従来の設備や道具をそのまま流用できるという点で、ヒューマノイドロボットは人の代替としては最良のデザインと言える。ただし、人と同様にテキパキと動作したり、不測の事態に対応したり、自身で判断して作業を進めたりする融通性を身につけることはまだ困難とされ、技術的には安定性にも課題が多いされてきた。ただ人手不足が深刻な日本やEUでは特に、市場性やニーズが大きいため、いくつかの企業が参入し、研究と開発を続けている。
メルセデスベンツのように資金があり、グローバルで展開している企業がヒト型ロボットを試験導入することは、ロボットを活用した自動化技術にとって前進であり、重要な今後の試金石になると見られる。
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