NTTは本日、2024年3月25日より、NTTが開発した大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」(つづみ)の商用サービスを開始することを発表した。「tsuzumi」のみの売上げで2027年に1千億円を目指す。商用サービス開始にあたり、報道関係者向けに発表会を開催した。商用サービスはBtoBで、利用料金は個別対応。
発表会の冒頭では邦楽器「鼓」の演奏が行われ、鼓とLLM「tsuzumi」の共通点の解説から行われた。
NTT版LLM「tsuzumi」は邦楽器「鼓」をなぞらえて、日本語に強く、小型軽量、企業ごとに柔軟なチューニング、マルチモーダル対応を特徴として挙げている。関連記事「NTT版生成AI大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」驚異の性能を披露 NTT R&Dフォーラム2023開幕 NTT島田社長の基調講演と見どころ」
■ 大規模言語モデル「tsuzumi」
既に500社以上が興味を示す
「tsuzumi」は昨年発表した大規模言語モデル(LLM)で、既に500社以上から問い合わせ、引き合い、相談があるという。現時点ではほとんどが国内の大企業からの相談で、海外からの問合わせも増え始めているとしている(多言語対応しており、海外展開も視野に入れている)。
「tsuzumi」の特徴と性能比較
「tsuzumi」の特徴の詳細としては、軽量さはGPT-3 (175B) のパラメタサイズと比較して25分の1の7Bに抑えられている。日本語性能は世界トップクラスとして「GPT-3」「GPT-4」と比較した図表を提示した。高カスタマイズ性として機密性の高いデータの学習や企業特化、業界特化、タスク特化等のカスタマイズ、データの最新化等に対応する。マルチモーダル性はテキストや言語だけでなく、図表の読解等の様々な形式に対応できる。例えば画像や表の解析に対応する。
既に商用サービスでの取り組みが決定しているパートナーは下記の通り。
3つの利用環境、3つのソリューションメニュー
「tsuzumi」のサービス提供形態は、3つの利用環境と、3つのソリューションメニューを組み合わせて選択できる。
利用環境は「オンプレミス」「プライベートクラウド」「パブリッククラウド」の3種。
当初の販売チャンネルはNTTグループ6社。
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。