日本オーチス、大分県庁で自動搬送ロボットとのエレベータ連携実証に成功 県庁内で郵便物や小包を自動搬送、顔認証も活用

日本オーチス・エレベータ株式会社は、ロボット・プロバイダーのFIG株式会社と共同で、大分県庁で、既存のオーチス製「Gen2 Prestige」(ジェンツー・プレステージ)エレベータとサービス・ロボットが連携する実証実験を実施した。オーチスは世界中で業界最多となる約230万台のエレベータとエスカレーターをメンテナンスし、毎日約23億人がオーチスの製品を利用している。

大分県庁舎で搬送するロボット

自動搬送ロボットがエレベータを呼び、自走して乗り込む。フロアを越えた移動が可能


県庁内で郵便物や小包を自動搬送、顔認証も活用

大分県庁では、日々、庁内外から文書室に多くの郵便物や小包が届き、各部署から職員が受け取りに来ている。その搬送業務の効率化と省人化に向け、職員の代わりに搬送を可能にするFIGのロボットのテスト運用を実施した。

大分県庁、Otis Integrated Dispatch技術を活用したロボットによる搬送業務の実証実験を実施

日本オーチスはFIGと協力し、ロボットがクラウド経由でエレベータとやり取りすることが可能になるOtis Integrated Dispatch (オーチス・インテグレーテッド・ディスパッチ) 技術を使って、エレベータとロボットを連携。それにより、ロボットは自律的にエレベータを呼び、目的階へ行き、郵便物や小包を届けることが可能となった。全てのフローにおいて、人が介在することなく自動化することが実現したという。

ロボットの顔認証システムを経て、荷物を取り出す職員

また、セキュリティー対策として、ロボットには顔認証システムが搭載され、そのシステムに事前登録した人だけが、ロボットから郵便物や小包を取り出すしくみも導入した。

大分県庁でロボットが郵便物や小包を搬送する様子を紹介する動画(60秒)は下記。
■日本オーチス、大分県庁でクラウドによる搬送ロボットとの連携に成功

日本では、高齢化が進み、出生率が低下して労働人口が減少している。労働力不足に備え、効率を最大化するために、ビジネスや日常生活の一部を自動化やデジタル化する方向に進んでいる。オーチスは、170年以上に渡ってエレベータ業界に従事、エレベータとシームレスに連携できる自律型サービス・ロボットなどのスマート・エレベータ・ソリューションとデジタル技術を駆使したシステム開発をおこなっている。


オーチス・インテグレーテッド・ディスパッチ技術とは

Otis Integrated Dispatch技術は、多くの自律型サービス・ロボットと連携できるように設計されたAPI (Application Programming Interface) 。このAPIにより、クラウド、またはローカル接続を介して、エレベータとロボットのシームレスなインターフェイスを可能にし、また無線通信を使用することで、従来の配線で繋ぐ方法よりも柔軟で拡張性を高めることができる。Otis Integrated Dispatch技術は、エレベータ群、及びバンクレベルでも機能し、異なるモデルのロボットに対しても、柔軟に対応することができる。ロボットが使用できる複数のエレベータを用意することで、更に効率性とペースを高めることが可能になる。

日本オーチス 代表取締役社長 ティボー・ルフェビュール氏

日本オーチス社長のティボー・ルフェビュール氏は次のようにコメントしている。

ティボー・ルフェビュール氏

オーチスは、世界で初めて乗客のための安全なエレベーターを販売して以来、170年以上に渡りエレベーター業界に革新をもたらし続けてきました。私たちは、エレベーターとシームレスに連携できる自律型サービス・ロボットなどのスマート・エレベーター・ソリューションとデジタル技術を駆使し、人々の生活や働き方を変える一助となるべく、お客様のために何が可能かを追求し続けます


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ロボスタ編集部

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