着ぐるみを着せられる小型コミュニケーションロボットのベースモデルを発売 ヴイストン

ヴイストンは、外装として着ぐるみを装着することができる、卓上サイズのコミュニケーションロボットのベースモデル VS-KRM01を発売すると発表した。

主な特徴

小型コミュニケーションロボット ベースモデル VS-KRM01。高さは約23cm

発表されたVS-KRM01はRaspberry Pi 4 Model B(4GB版)と4軸のサーボモーターを搭載した、卓上サイズのコミュニケーションロボット。外装として着ぐるみを使用できるよう設計されており、設置・運用する場に応じた外観の変更を安価に行うことが可能となっている。
既に発売されているヴイストンの「着ぐるみロボット『くるみちゃん』」では、指定デザインによる同社製の着ぐるみが付属しているが、本製品においては着ぐるみが付属せず、より低価格で導入が可能なものとなっており、公開されている型紙を元に、ユーザーによる着ぐるみの作成が可能。ニーズに合わせた柔軟な運用を実現するとしている。


小型コミュニケーションロボット ベースモデル VS-KRM01(側面からの写真)

小型コミュニケーションロボット ベースモデル VS-KRM01(背面からの写真)

小型コミュニケーションロボット ベースモデル VS-KRM01(内蔵カメラ部分)

小型コミュニケーションロボット ベースモデル VS-KRM01(着ぐるみ装着例) ※ 本製品に着ぐるみは付属しません

なお、本製品は研究・開発用に製造されており、ヒューマンインタラクションに関する研究や実証実験機体としての使用を想定。また、コミュニケーションロボットを活用した受付、案内、商品紹介などを開発する目的、あるいは、見守りや介護福祉、レクリエーションなどの研究開発にも好適である。

1:外装に「着ぐるみ」を着せることができる小型ロボット

従来のコミュニケーションロボットにおいては、樹脂や金属などで形成された外装を持つことが一般的で、彩色や衣服などによりある程度の演出はできるものの、外観そのものを大きく変更することには適していなかった。今回はVS-KRM01は、外装素材を着ぐるみとすることで、目的やロボットの役割に応じ、大幅な外観の変更を容易かつ安価に行うことができるようになっている。

コミュニケーションロボットがヒトとの対話を行う目的においては、ロボット側にも、その用途に応じた外観を備えたキャラクターであることが求められる。VS-KRM01を用いることで、ロボット端末の外観を対象者に合わせて頻繁に変更する、あるいは、複数台のコミュニケーションロボットが活躍する場面などにおいて、それぞれの機体の役割や性格付けを明確化するなど、従来よりもさらにユーザーに寄り添ったシステムを構築することが容易となる。

但し、ユーザー自身にて製作した着ぐるみについては、本製品の動作保証対象外となるとしており、着ぐるみの製作においては、ロボットの可動範囲を阻害しないように十分な配慮が必要なほか、着ぐるみ全体の重量が重くなりすぎないような設計が必要とされる。

2:GUIベースの開発環境が付属

VS-KRM01には、コミュニケーションロボット用としても実績が豊富な開発環境「Vstone Magic」が付属。

ロボットのモーション作成や基本的なプログラム作成を、フローチャートをベースとしたGUI画面で行うことができ、高度なプログラム実装も容易に行うことができる。また、Java の統合開発環境「Eclipse」でのプログラム作成にも対応しているため、より高度な開発プロジェクトにも対応可能となっている。

なおVS-KRM01は、動作させるためにプログラムの開発・実装が必要なデベロッパー向けモデルのため、基本的なものも含めたあらゆる動作について、ユーザー側でのプログラム作成と実装が必要で、運用に際しては、コミュニケーションロボットのプログラム作成や実装について専門的な知識を持っている人が取り扱うことを想定している。

3:音声認識・合成機能の追加が可能(有償ライセンス)

VS-KRM01には、前方に指向性を持った高性能マイク「インテリジェントマイク」やスピーカーが搭載されており、音声認識・合成機能を組み込むことが可能となっている。音声認識・合成機能については、ユーザー側での開発・実装が可能であるほか、ヴイストンで販売中の有償プランである「Sotaクラウド」を別途購入し適用することも可能となっている。
※Sotaクラウドを利用する場合、音声合成の声色は、同サービスにおいて提供中のものに限られる。


4:チャットボットの活用により、より自然な対話を実現可能

Vstone MagicでのGPT対話ブロックの利用例

ヴイストン社製の開発環境「Vstone Magic」には、コミュニケーションロボットで活用可能な「GPT対話ブロック」が用意されている。


ChatGPT対応

従来の対話シナリオに代わりChatGPTを用いるもので、これまでのような膨大なシナリオを事前に準備する必要がなくなるほか、「一問一答」などの単純な対話応答ではない、雑談に近い自然な会話感を実現できます。これにより、コミュニケーションロボットの対話機能を、これまでにないレベルに引き上げることが可能となる。

※VS-KRM01や「Vstone Magic」には、ChatGPTの利用に必要となるアカウントなどは付属しないため、別途準備いただく必要があります。また、使用する条件によっては有償のプランとなる場合がある。

軸配置図



構成図



寸法図


※CADデータは提供しておりません。

可動範囲



本体仕様

サイズ W160×D158.6×H229 (mm)
本体重量 555g
自由度 合計4軸(頭部:1軸 / 腕部:左右各1軸×2 / 胴体:1軸)
搭載サーボモーター 腕部:RS204MD / その他:VS-S055C
動作角度 ID1(胴体ヨー軸):-60度~+60度
ID3(右腕ロール軸):-90度~+30度
ID5(左腕ロール軸):-30度~+90度
ID7(首ピッチ軸):-50度~+50度
CPU Raspberry Pi 4 Model B 4GB
本体素材 アルミニウム、ABS
入出力 広角カメラ(8MP)、インテリジェントマイク®、スピーカー、LED(電源ランプ)、スイッチ(電源ボタン、音量ボタン×2)
インターフェース Wi-Fi、有線LAN、HDMI、USB×3、電源コネクター、音声入力(モノラル)
付属電源 ACアダプター(12V 3.3A)
付属品 ACアダプター

※製品は屋内専用。屋外での使用は想定していない。また、製品の仕様は予告なく変更となる場合がある。
※Raspberry Pi4には音声出力端子が搭載されているが、この製品においてはその動作検証を実施しておらず、製品の機能としては保証していない。

販売について

VS-KRM01は受注生産品となり、ヴイストンの公式Webショップ「ロボットショップ」にて販売。価格はオープン価格となっている。

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ロボスタ編集部

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