東京スカイツリーでロボットによる案内誘導の実証実験を実施 団体客への効率的な案内誘導が可能か検証

東武タワースカイツリーとKDDIは2024年8月19日から9月25日まで、東京スカイツリーにおいて初の案内誘導ロボットを活用した、団体客を案内誘導する実証実験を実施している。

今回の実証実験では、東京スカイツリー1階団体フロアに、自律走行型かつ大型ディスプレイ搭載の案内ロボット1台を配置し、団体客の効率的な案内誘導が可能か検証する。

案内ロボットトは、東京スカイツリーのスタッフに代わり、ディスプレイと音声で案内誘導を行い、日本語のほか、英語に対応しているため、インバウンドの来場客に対しても案内誘導が可能となっている。

背景

国内では2030 年にサービス業を中心に644万人の労働力が不足すると推定されている(パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」より)。

東京スカイツリーにおいては、今回の案内誘導をはじめとした各種業務について、省力化や省人化による効率的な業務体制を目指している。また、KDDIは2024年5月から、顧客の事業成長・社会課題解決へ貢献するため、AI時代の新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX」を始動。WAKONX Smart Cityを通じて、人口減少や労働力不足などの社会解決を目指しており、本実証の企画設計および推進を行うことによって得られた知見をもとに、スマートシティにおけるロボットの活用を推進していくとしている。


東京スカイツリー1 階 団体フロア ロボットでの案内誘導イメージ ©TOKYO-SKYTREE


実証実験の概要

東京スカイツリー1階 団体フロア におけるロボットの案内誘導イメージ ©TOKYO-SKYTREE

東京スカイツリー1階の団体フロアにおいて、団体客を約80m先の的地までロボットが案内誘導する。

・上図「位置①」でスタッフが団体客にロボットが案内誘導する旨を説明し、その後案内誘導を開始。
・上図「位置②」で音声案内でエレベーターで4階に上がるようロボットが案内。案内終了後、ロボットは自動で位置①に戻る

使用するロボットについて

今回の実証実験では、LGエレクトロニクス製「LG CLOi Guide Bot」を使用する。


GuideBot」表 ©TOKYO-SKYTREE

GuideBot」裏 ©TOKYO-SKYTREE
基本仕様
寸法 横幅51㎝ x 奥行51㎝ x 高さ150㎝
重さ 80㎏
連続使用時間 最大9時間
走行速度 毎秒0.1~1.0m (設定可能)
対応言語 12言語に対応
(本実証では日本語と英語に対応)
販売 LG Electronics Japan株式会社


これまでの主な活用場所

ショッピングセンター、空港、介護施設


今後の展開について

東京スカイツリーでは、本実証実験を踏まえ、省力化や省人化による効率的な業務体制を目指す手法の一つとして、引き続き検討を進めていく。

またKDDIでは2025年3月に街開きするTAKANAWA GATEWAY CITYでの活用を皮切りに、ロボット同士の協調制御、エレベーターやフラッパーゲートなど建物設備との連携を可能とするロボットプラットフォームを展開し、サービスロボットをさらに高度化させることで、社会課題の解決を目指すとしている。

WAKONXについて


「WAKONX」は、KDDI VISION 2030「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」の実現に向け、日本のデジタル化をスピードアップするというコンセプトから生まれたブランドであり、機能群を有するAI時代のビジネスプラットフォーム。

「WAKONX」を通じて、最適化したネットワークの設計・構築から、大規模計算基盤による企業間データの蓄積・融合・分析を行う。また、AI が組み込まれたサービスやソリューションを各業界に最適化して提供することで、法人のお客さまの事業成長と社会課題の解決を支援していく。

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ロボスタ編集部

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