エクサウィザーズは、住友生命が運用を予定している、AIを活用した営業職員の育成システムの開発を支援したことを明らかにした。
住友生命とエクサウィザーズは2021年8月に“Well-being Tech”領域で業務提携しており、今回の取り組みもその一環。本提携を契機として、営業職員体制の進化、AI保険レコメンドシステム開発など複数のプロジェクトに取り組んで成果を出してきた。
エクサウィザーズが開発支援を行った営業職員の育成システムは2024年11月25日より住友生命の営業職員約3万人が利用する予定で、営業活動の質向上、ひいては育成に変革を起こすとしている。
AIを活用した営業職員の育成システムのおけるエクサウィザーズの役割
今回の営業職員育成システムの開発では、エクサウィザーズは以下のような役割を担った。従来のAI技術に加え、最新の生成AI技術も利用して、業務課題を解決する本システムを実現している。
(1)AIコンサルタントによる営業業務の内容理解、課題の整理とシステム構想・設計
(2)UI/UXデザイナーによるAIシステムならではのユーザー体験(業務体験)を向上する設計(UX/UI)
(3)優先的な顧客対応事項を各種データに基づき算出するAIレコメンデーション・エンジンの開発・提供
(4)生成AIを活用し、上記(3)を営業職員にコミュニケーションする仕組みやUIの実装
(5)AIソフトウェア開発環境「exaBase Studio」による、迅速かつ柔軟な本システムの設計・実装
(6)全社約3万人での安定利用を実現するシステムの設計・実装・運用
システムの特徴
顧客向けの活動内容の明確化
営業活動は、顧客との関係性を深めるための挨拶から保険契約の提案・契約手続きまで多岐に渡り、活動内容は状況によって大きく異なる。本システムでは、営業職員の活動により取得した顧客データを基に、次に実施すべき活動のナビゲーションを行うことで、営業職員の活動をサポートする。
顧客向けのコミュニケーションのアドバイス
顧客の信頼関係構築のためには、日々の営業活動において、顧客の趣味・趣向に併せたコミュニケーションが求められる。本システムでは、独自のUX/UIにより生成AIがアイスブレイクに繋がるヒントを提示することで、顧客とのコミニュケーション及び関係性の深化をサポートする。
より均質な指導の実現
全国約1500拠点において、本システムのナビゲーションを活用することにより、より具体的で均質な日々の指導が行えるようになる。
サステナブルな営業職員体制を構築
住友生命は2018年7月に発売を開始した健康増進型保険“住友生命「Vitality」”が加入者増加を続けており、顧客接点が益々拡大している。Vitalityを中核としたウェルビーイングサービスの提供にあたり、これまで以上に適切な情報を適切なタイミングで顧客や社会へ提供することが重要と考えている。
その実現に向けて、AIの力も活用し「人とデジタルの価値を融合」することで、営業活動の質を向上させていき、本システムを活用することで顧客と対面する「人の価値」を高め、より必要とされる営業職員へと進化。その結果として営業職員の入社5年後在籍率40%を達成し、顧客のウェルビーイングに貢献するサステナブルな営業職員体制を構築していくとしている。
三井住友海上火災保険とNEC、事故対応に音声解析と生成AIの文章要約技術を導入 業務の効率化とより充実した顧客対応のため
【世界初】NEC、生成AIを活用したマーケティング立案技術を開発 ENEOSが次世代SSの展開に向けて先行活用
ソフトバンクが自販機の最適な巡回ルートや商品などを自動生成するAI最適化サービス「Vendy」の提供を開始 キリンビバレッジが採用
NECとアサヒ飲料、独自AI技術で収益拡大や戦略立案の高度化を実証 売上機会損失や在庫保管費など年間3億円の削減見込む
NEC、三井住友海上の社員向け生成AIチャットツールに損保業務の専門的な照会応答機能を追加
この記事を読んだ人におすすめ
- 生成AI活用の決め手は「RAG」 アクティブな企業の約5割がRAGに取組中 エクサウィザーズ調査 RAGとは何か? も解説
- いよいよ明日開幕!世界最大級のAIとGPUイベント「NVIDIA GTC 2024」現地直前レポート、サンノゼの青空の下で
- 東大松尾研究室発のELYZAがKDDIグループと資本業務提携を締結 生成AIの社会実装を加速させスイングバイIPOを目指す
- SELFがオリコと共同でChatGPT連携チャットボット『SELFBOT』の提供開始 企業の問い合わせ業務の効率化とサービス向上を推進
- NVIDIAがヒューマノイド開発プラットフォーム提供を発表 ディズニーの二足歩行ロボットが登壇 Jetson Orinから次世代Thorへ
- NVIDIA 自動運転開発に生成AI対応の「DRIVE Thor」を採用、次世代Blackwellアーキテクチャ搭載 世界最大のEVメーカーBYDとの連携強化
- NVIDIA 大規模言語モデルと生成AIにも特化した「Blackwell プラットフォーム」とは 性能向上は最大30倍、コスト/エネルギー消費は最大1/25に
- 楽天が日本語に最適化したオープンかつ高性能な大規模言語モデルを公開 楽天の公式「Hugging Face」リポジトリからDL可能