【世界初】NEC、生成AIを活用したマーケティング立案技術を開発 ENEOSが次世代SSの展開に向けて先行活用

NECは、生成AIを活用したマーケティング施策立案技術を開発した。開発した技術を活用したサービスを「BestMove」として、2024年内に提供開始する予定であると発表した。

今回開発された技術は、先行してENEOSの次世代サービスステーションで展開される「新サービスの施策立案」に活用された。


顧客の潜在ニーズの把握は困難

現在、顧客向けのサービスを展開している企業が、新店舗の出店、新業態の開始、新商品や新サービスの販売前に顧客の潜在ニーズを把握するためには、アンケート・座談会によるヒアリングや、インターネット上の情報の収集・調査などの手法が取られている。しかし、これらは網羅性と合理性に課題があり、顧客の潜在ニーズを的確に把握することは困難である。また、外部のコンサルティングサービスを利用する方法もある、効果的な施策を手軽に立案できる手法に期待が高まっている。

マーケティング施策立案技術の概要と特長

今回開発されたマーケティング施策立案技術は、NECの生成AIをはじめとするAI技術群を活用して開発したもので、顧客の趣味嗜好性の可視化、施策の立案、施策に対する顧客の反応予測を自動で行うことができる、世界初の技術となる。


1:AIによる施策立案と顧客の反応率のシミュレーションにより、効果の高い施策のみを実行可能

NECのAI技術群(生成AI、消費者属性拡張技術、知見発見や施策立案に関する技術)と、統計化されたクレジットカード決済情報などの購買データを活用することで、特定の地域・店舗の想定顧客に対して趣味嗜好性を付与し潜在ニーズを特定するとともに、最適な施策を立案ができる。また、それらの施策案に対する顧客の反応率をシミュレーションできるため、期待される効果を施策の実行前に確認し、費用対効果の高い施策案のみを実行することが可能となる。


2:生成AIの大規模言語モデル(LLM)により、自然言語で繰り返し分析が可能

生成AIの1つであるLLMを活用することで、利用者は自然言語でインタラクティブに施策案の生成や反応率のシミュレーションを実行することが可能。また、プロンプト(指示文章)を入力すると、施策の立案と反応率のシミュレーション結果が数分で出力されるため、分析作業を手軽に繰り返し行うことができる。

3:オープンデータを活用することで、データを持たない企業でも分析が可能

NECのAI技術により関連性の高いインターネット上のオープンデータを収集して活用することができるため、自社でデータを持たなくても網羅的かつ合理的な分析ができる。もちろん自社で保有するデータも活用が可能。

ENEOSの次世代サービスステーションの検討

ENEOSは、グループ長期ビジョンにおいて、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」の両立を掲げている。

エネルギー供給に加え、カーボンニュートラル社会の実現に向けたモビリティおよび生活関連サービスをトータルで提供することを目指し、今後も全国12,000カ所超のサービスステーションの付加価値を高めるべく、地域特性に応じた新たな生活プラットフォームへと昇華させる取り組みを進めていく。

その取り組みの1つとして、これまでとは異なる新しいサービスを包含した次世代型サービスステーションの実証店舗を展開するとしており、実験店舗のサービス検討にあたっては、地域住民の潜在ニーズの把握や、より収益に貢献できるサービス・特色あるサービス候補の洗い出しなどにおいて本格的なサービス提供に先行してBestMoveの活用検討を行なっている。

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ロボスタ編集部

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