NECは、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売業向けに、商品棚に着目して小売店舗のDXを支援するクラウドサービス「NEC棚定点観測サービス」に機能追加し、3月11日から提供開始する。既に「NEC棚定点観測サービス」を導入済の東急ストアで先行採用され、有効性の検証が進められている。(冒頭の画像はイメージ: NEC「NEC棚定点観測サービス」公式サイトより)
スマホで商品棚陳列を撮影して棚割を自動判定
「NEC棚定点観測サービス」は、定点カメラの映像からAIが自動で商品棚の陳列状況を可視化し、商品の補充や前出しが必要な棚の情報を従業員に提供するもの。
今回、スマートフォンなどのスマートデバイスで商品棚を撮影すると自動で棚内の商品位置を特定できる「棚割自動判定機能」を新たに追加した。これにより、「NEC棚定点観測サービス」の導入時や陳列レイアウト変更時に、商品棚のどの位置にどの商品が陳列されているかの情報(棚割)を手動で登録する作業が不要となる。
この機能は「NEC棚定点観測サービス」を導入済の株式会社東急ストアに先行して採用され、有効性の検証が進められている。
「棚割自動判定機能」の概要
商品情報を登録した二次元コードを事前に値札に貼り、スマートフォンなどのスマートデバイスで商品棚を撮影。NEC独自の画像補正技術などを活用し、撮影した画像から商品情報と棚内の商品位置を特定するとともに、定点カメラの画像と比較し商品位置を補正した上で、棚割データを「NEC棚定点観測サービス」に自動登録することができる。
「NEC棚定点観測サービス」の提供価格、提供目標
提供価格(税別)初期費用:74,800円~(カメラ+アプリ設定費用) ※1
月額利用料:3,980円~/台 ※2
提供目標2026年度末までに4000契約
※1:使用するカメラによって異なる。
※2:カメラ単位の利用料となる。
NECはこの機能について引き続き精度向上やユーザビリティ向上に取り組むとともに、本機能単体でのサービス提供も今後検討する考えだ。
開発の背景
近年、小売業では少子高齢化・人口減少に伴う市場規模の縮小や労働力不足に伴う人件費増加など様々な課題を抱えている。一方で、実店舗では商品棚の最適な状況の維持や食品の廃棄ロス削減に向け、売り場チェックと品出しの作業が重要な業務になっている。そのため、従業員による売り場とバックヤードの行き来が多く業務負荷となっており、店舗運営の効率化が求められる。
「NEC 棚定点観測サービス」はこうした課題解決に貢献するサービスとして開発。「NECは今後も映像分析やAI・IoTなど先進のデジタル技術を活用し、快適で心地よい顧客体験を生み出し続ける店舗運営を実現する「Smart Retail CX」に取り組んでいきます」と語っている。
なお、NECは「NEC 棚定点観測サービス」を「リテールテックJAPAN 2024」(会期:3/12(火)~15(金)、会場:東京ビッグサイト)にて紹介する予定。
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