自動点検ロボット「ugo mini」とメーター読み取り「hakaru.ai byGMO」が正式連携を開始

GMOグローバルサイン・ホールディングスとugoは、GMOグローバルサイン・ホールディングスが提供する画像解析AIでメーター値を読み取る「hakaru.ai byGMO」と、ugoが開発した点検業務に特化した国産の小型ロボット「ugo mini」の連携を開始し、2025年1月より順次提供をする。

今回の連携により、従来は人だけが巡回検針を行っていた現場に、ロボットの“目”にメーター読み取りAIを載せた「ugo mini」が検針作業員として参加できるようになる。その結果、省人化とミスのない点検・検針を実現し、データのデジタル化によるペーパーレス化も促進する。AI技術を活用した人と共に働けるロボットの更なる活躍を通して、労働人口の減少が深刻化する施設維持管理の人手不足課題の解決を支援するとしている。

連携の背景

施設内を巡回する「ugo mini」。メーターを撮影するトップ部分に搭載されたカメラは55cmから175cmまで高さ調節が可能

「hakaru.ai byGMO」は、AI技術を搭載したメーター読み取りサービス。スマートフォンのカメラを活用した専用アプリで、メーター点検における目視や手書きによる誤検針の防止、データ転記作業の負荷軽減を実現し、2019年の製品リリース以来、製造業やビルメンテナンス業界のメーター検針の業務改善に利用されてきた。

一方、「ugo」は、遠隔操作と⾃動モードのハイブリッド制御を採⽤した業務DXロボット。設備や業務内容に合わせて簡単に設定ができるため労働力不足が顕著な業務のDX化に貢献している。2024年10月に受注開始が発表された点検専用小型ロボット「ugo mini」は、「ugo」シリーズの中でもより小型で小回りがきく低価格なロボットとして誕生した。

今回の連携により、自律走行による移動が可能で、高さと向きの調整が可能なカメラと自動巡回機能を備えた「ugo mini」に「hakaru.ai 点検API」を実装し、ロボットに工場や施設内の設備にあるメーターを自ら読み取り検針を行わせることで、人手不足解消と点検DXの課題解決を目指す。

ロボット連携の構成


「ugo mini」が施設内を巡回し、撮影したメーターの画像を「hakaru.ai byGMO」のクラウドサーバー上の読み取りエンジンで解析。この戻り値を「ugo Platform」に返すことで、検針のデジタル記録が完了する。なお、APIに画像を送ってから解析値を返すまでは数秒程度となる見込み。

メーター検針・点検の現場における課題

施設維持管理におけるメーターの検針や点検業務の現場では、労働人口の減少による人手不足は年々深刻さを増しているにもかかわらず、人が目視で確認し手書きで紙台帳に記録、その後Excelなどに手入力で数値をデータ化して管理する方法がとられていることが多いという現状がある。手作業によるヒューマンエラーの発生リスクから、確認工程に写真との突合せやダブルチェックなど、手間や工数がかかっているのが実情だ。

こうした課題の解決のために昨今では、スマートメーターをはじめとしたさまざまな技術が登場しているが、機器の買替のための初期投資や設置場所の課題から考慮すべき条件も多く、結果的に人の目視・手書きの紙台帳から、数値を入力しデータ化するという一連の業務が、数多くの現場で常態化している。

「hakaru.ai byGMO」の通常サービスでは、スマートフォンでメーターを撮影することで、手元の作業を自動化し誤検針を防止するが、一方で人が現地に赴く必要がある。今回の「ugo mini」導入によって人が現地に赴く必要がなくなるため、施設維持管理における業務の現場での人手不足解消への貢献が可能になるとしている。

「ugo mini(ユーゴーミニ)」の強み


「ugo mini」は、点検業務に特化した小型ロボット。自律走行による移動が可能な業務ロボットで、トップ部分にはカメラが搭載されており、カメラの高さは55cmから175cmまで自由に調節が可能。

このトップ部分に搭載されたカメラで巡回点検時のメーターを撮影できるとともに、さまざまな点検環境に合わせて空気質や温度をデータ取得できるオプションも用意されており、外観形状もコンパクトで静音性が向上。従来機種よりも低価格で提供される。

「hakaru.ai点検API」の強み


「hakaru.ai byGMO」は、工場やビルなどにある既存のメーターと、個別に発行したQRコードを一緒にスマートフォンで撮影することで、画像からAIでメーター値を読み取り、ウェブブラウザ上の台帳に自動でデータ保存される業務改善ツール。

2019年のサービス提供当初からから現在まで現場の声に応えながら、AIの読み取り精度の改善、モデルのメンテナンス、新たな需要に対応したメーター読み取りモデルの開発など、さまざまな現場ニーズをもとに改善を重ねてきており、「hakaru.ai点検API」はこのような実践で鍛えたAIエンジンをモデル開発不要でAPI連携できる機能となっている。

「hakaru.ai点検API」で読み取れるメータータイプの例(2024年12月現在)




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ロボスタ編集部

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