ugoは、岩手県平泉町の「平泉町学習交流施設エピカ」内の図書館において、図書館蔵書管理システム『KoKoBoシステム』が搭載された「ugo Pro」が「べんけーくん」と命名され正式に採用された。スタッフ7人が通常10日間かけて行う蔵書点検作業を、わずか2日で完了することが可能となったという。
蔵書の管理に画像解析AIとロボット
シダックス大新東ヒューマンサービスが受託運営する平泉町立図書館では、数万冊に及ぶ蔵書の管理を手作業で行っており、人的リソースの負担や作業負荷の増大が課題となっていた。
この課題を解決すべく、シダックス大新東ヒューマンサービスとサイバーコアが共同開発した『KoKoBoシステム』が導入され、画像解析AIを活用した効率的な蔵書管理が実現。このシステムを搭載するロボットとして「ugo Pro」が選ばれ、図書館内を自律的に移動しながら蔵書点検を行う。
KoKoBoシステム導入で10日間かけて行う蔵書点検を2日に
『KoKoBoシステム』は画像解析AIによって本の背表紙の画像を読み込み、データベースと照合し、蔵書を点検する独自開発のクラウドシステムのため、。ICタグ導入を不要とし、さらにシステムをさまざまな機器に搭載できるのが大きな特徴となっている。
2023年より「平泉町学習交流施設エピカ」内の図書館で実証実験を開始。それによると、日頃スタッフが7人が10日間かけて行う蔵書点検を2日で済ませるなど、大きな効果をあげた。
2024年は平泉町の中尊寺金色堂建立900年の節目にあたることから、2024年9月7日に「平泉町学習交流施設エピカ」でお披露目式を開催。導入された1号機は愛称を利用者により投票。その中で選ばれた「べんけーくん」とし、「源義経を守る武蔵坊 弁慶のように図書館を守り続ける」をコンセプトに、僧兵の服装を施している。
ugo Proの図書館内での業務内容
蔵書点検の自動化
ugo Proは、図書館内を自律走行し、蔵書の背表紙をカメラでスキャン。画像解析AIとクラウドシステムを活用し、蔵書データベースと照合することで、書籍の有無や位置を自動的に確認する。
棚卸し作業の効率化
手作業による蔵書管理では、各書籍をバーコードで読み取る必要があり、時間と労力がかかっていたが、ugo Proに搭載された画像解析AIは書籍の背表紙を迅速かつ正確に読み取ることができるため、新たに書籍にICタグを取り付けることなく、効率的に蔵書を管理することが可能となった。
移動ルートの最適化
図書館内を自律的に移動し、狭い書架の間をスムーズに通行するよう設計されており、蔵書点検や棚卸し作業が迅速に行えるようになっている。