モルフォAIソリューションズは名古屋大学 減災連携研究センター(名古屋大学減災館)に、近代書籍対応のAI-OCRソフトウェア「FROG AI-OCR」の提供を開始した。
「FROG AI-OCR」導入の背景
モルフォAIソリューションズは、2022年7月1日より大学図書館・地方図書館・自治体様からのデジタル田園都市構想を背景としたデジタルアーカイブ事業や読書バリアフリー法対応のニーズを受け、市販ソフトとして「FROG AI-OCR」を提供。名古屋大学減災館では、防災・減災に関する図書を集めた減災ライブラリーを保有しており、減災連携研究センター所属の研究者以外にも、一般市民など広く利用されている。
しかし、広く利用される中で、減災ライブラリーの図書検索システムで蔵書検索の利便性が課題となっていた。また、既存のテキスト化ソフト(OCR)の場合は、複雑なレイアウトや旧字旧仮名を含む書籍の文字をほぼ認識できず、手動でテキスト化を行うなど、作業に膨大な時間がかかっていることも課題だった。そこで、複雑なレイアウトに対応可能な「FROG AI-OCR」を活用することで、目次などに対してもOCR処理が可能となり、これまでの手作業による転記や修正の手間を大幅に削減することを実現しました。OCR処理を行ったテキストデータは随時図書検索システムへ追加されている。
OCR処理サンプル
近代文学に多い旧字旧仮名文字の読み取りは、従来のOCRでは対応が難しく、テキストデータ化することが困難だった。大学図書館や地方図書館では、そのような古い書籍の読み取りも数多く対応する必要があり、「FROG AI-OCR」では読み違いを起こさずに処理することが可能だ。
市町村史目次
濃尾地震(1891年)に際して発行された書籍の広告
関東大震災(1923年)に際して発行された書籍の目次
名古屋大学減災館 末松憲子 氏 コメント
末松憲子氏
当館では、市町村史の目次や、濃尾地震(1891年)や関東大震災(1923年)に際して発行された書籍の目次・本文をテキスト化する際に「FROG AI-OCR」を使用しています。
市町村史の中でも、「資料編」や「歴史編」など、旧漢字や難読漢字を多く含んだ目次や、歴史地震に際して発行された同時代資料の、目次・本文のテキスト化で大変重宝しています。一方、デザイン性の高い比較的新しい資料の目次等が、「文字」ではなく「図」として認識されてしまうことがある点を改善いただくと、さらに使いやすくなると考えます。その為、資料の特性にあわせてOCRを活用しています。