月面で自律的に任務を遂行する変幻自在なAIロボット試作機 大阪・関西万博で展示実演へ 内閣府ムーンショット

2050年、月面での探査と資源活用が促進され、持続的な有人活動拠点が月に整備される・・そんな未来の実現に向け、内閣府によるムーンショット型研究開発制度のもと、プロジェクトが着実に進行している。
現場の状況やミッションに柔軟に対応可能な変幻自在のロボットの実現を目指す
開発に取り組むのは、プロジェクトマネージャー(PM)である東北大学の吉田和哉教授を筆頭に、課題推進者(PI)の大阪工業大学の松野文俊教授、京都大学の森本淳教授、東京理科大学の木村真一教授、産業技術総合研究所の山野辺夏樹上級主任研究員らによる研究グループだ。
開発の要となるのは、月面環境下で柔軟に機能する革新的な「モジュラー型AIロボットシステム」。完成されたロボットではなく、アームや車輪などの基本要素となるモジュールを月に送り、AI技術を用いて自律的に組み立てることで、現場の状況やミッションに柔軟に対応可能な変幻自在のロボットの実現を目指す。また、これらのロボットが互いに協働し、自律的に任務を遂行する未来像を描いている。
地上実験用のモジュラー型AIロボット「MoonBot」の試作機が完成し、JAXA相模原キャンパスの宇宙探査フィールドにて公開実験を行った。さらに、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)での展示・実演も予定している。
ムーンショット型研究開発事業について
少子高齢化や地球温暖化、大規模災害などの様々な課題解決に向け、日本発の破壊的イノベーションを創出し、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を行うことをめざし、内閣府が推進する科学技術・イノベーション戦略における大型研究プログラムとして、ムーンショット型研究開発制度が創設された。
現在、ムーンショット型研究開発は目標1~目標10の目標課題に向かって展開されており、これらのうち目標1,2,3,6,8,9,10については科学技術振興機構(JST)により事業推進が行われている。
吉田プロジェクトは
目標3:「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」
プログラムディレクター(PD):福田 敏男 名古屋大学 未来社会創造機構 客員教授
のもと、
「月面探査/拠点構築のための自己再生型AIロボット」
プロジェクトマネージャー(PM):吉田 和哉 東北大学 大学院工学研究科 教授
として2022年度に採択された。
ムーンショット目標3吉田プロジェクトについて
月面において未到探査および拠点構築を行う担い手として、再構成が可能なAIロボットシステムを提案し、その実現に向けた研究開発を行っている。
月面に持ち込んだ資材を有効活用し、状況に応じてモジュールの組み換えや、月面で得られる資源を用いてパーツの修復を行うことができる自己再生型AIロボットの技術を確立し、それにより、2050年には月面での探査と資源活用が促進され、持続的な有人活動拠点の実現を目指している。
吉田PMのもと、以下の課題推進者(PI)が研究開発に参加している。
松野文俊:大阪工業大学 教授
森本淳:京都大学 教授
木村真一:東京理科大学 教授
山野辺夏樹:産業技術総合研究所 上級主任研究員
(吉田PMは、PIとしても研究開発に参加)
「月面探査/拠点構築のための自己再生型AIロボット」の実現に向けて、2024年度より地上実験用のモジュラー型AIロボット試作機(MoonBot)を開発に着手し、2024年10月よりJAXA相模原キャンパス 宇宙探査実験棟内の宇宙探査フィールドを使用してロボットの機能や性能を評価する実験を進めている。
2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」展示情報『ムーンショットパーク ~見て!触れて!感じる!新・未来~』
2025年7月22日~9月15日の期間に、フューチャーライフ万博「フューチャーライフエクスペリエンス」において、ムーンショットが目指す未来社会について、体験・体感型の展示が週替わりで行われる。吉田教授らの研究グループの展示期間は、8月6日~8月11日となる。
タイトル | ロボットがつくる月面世界で、何がしたい? |
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会場 | Future Life Village 内 フューチャーライフエクスペリエンス期間展示 |
期間 | 2025年8月6日~8月11日 |
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