人生に寄り添う/科学を探求する/難環境で活動する「AIロボット」の実演や体験型展示 「ムーンショット目標3 公開シンポジウム2025」展示内容を発表

国立研究開発法人科学技術振興機構は、2025年3月7日に東京都江東区にある日本科学未来館で開催する最新のAI(人工知能)ロボットに関する研究成果を発信する「ムーンショット目標3 公開シンポジウム2025」の8つのプロジェクトの展示内容を明らかにした。



「ムーンショット目標3 公開シンポジウム2025」とは

このシンポジウムでは、政府が掲げる「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」という目標(ムーンショット目標3)の実現に向けて進められている8プロジェクトの研究開発の成果を、広く国民に向けて発信する。

8つのプロジェクトの展示内容が決定

シンポジウム当日は、以下の8つのプロジェクトごとに、研究開発中のAIロボットによる実演や体験型展示、研究開発成果の講演が行われる。開催を直前に控え、展示内容の詳細が決定したので紹介しよう。

人生に寄り添うAIロボット

1:「一人に一台一生寄り添うスマートロボット」

人型スマートロボットや、その小型・軽量モデルによる家事分野、介護分野、医療分野等におけるタスクを実演。さらに、人の身体を支えられる強いパワーと、人の動きに追従できる柔らかさを備えていることを、実際に触れて体験できる。(菅野重樹/早稲田大学 理工学術院 教授)

2:「活力ある社会を創る適応自在AIロボット群」

人の身体状態や目的に応じて適切な支援を提供する、伸縮自在・柔剛自在・組み合わせ自在なロボットハードウェア群と、個々の身体的・精神的特性を推定し、多様なロボットを統合制御する適応自在なAIを展示する。(平田泰久/東北大学 大学院工学研究科 教授)

3:「主体的な行動変容を促すAwareness AIロボットシステム開発」

「あなたの未来の歩き方、見てみませんか?」 開発したAIが、あなたの歩行データを分析し、100歳までの変化をシミュレーション、自分そっくりのデジタルロボットヒューマンが、未来の歩き方をリアルに再現する。(下田真吾/名古屋大学 大学院医学系研究科 特任教授)

科学探求を行うAIロボット

4:「主体的な行動変容を促すAwareness AIロボットシステム開発」

ライフサイエンス分野において、これまで不可能であった科学探究を可能にする「要領のいい熟練AIロボット研究者」「僅かな変化も見逃さないAIロボット研究者」「困難な環境でも変幻自在で諦めないAIロボット研究者」を展示する。(原田香奈子/東京大学 大学院医学系研究科・大学院工学系研究科 教授)

5:「人と融和して知の創造・越境をするAIロボット」

私達の研究は、人間と協働することでより創造的な科学研究を可能にするAIサイエンティストを生み出すこと。2050年までに、ノーベル賞クラスの研究を、人間とAIが共同で行える社会を目指している。(牛久祥孝/オムロンサイニックエックス株式会社 リサーチバイスプレジデント)

難環境で活動するAIロボット

6:「一人に一台一生寄り添うスマートロボット」

このプロジェクトでは、刻々と変化する自然災害の現場で柔軟に対応できる協働AIロボットシステムを開発している。本システムを構成する緊急調査デバイスや応急復旧工事向けの先端技術について、実機の静展示やポスター、動画を通じて紹介する。(永谷圭司/筑波大学 システム情報系 教授)

7:「未知未踏領域における拠点建築のための集団共有知能をもつ進化型ロボット群」

複数の小型ロボットをAIによるネットワーク知能で協調動作させ、群ロボットとして月面や難環境を探査するシステムの研究開発を紹介する。実際に2030年度までに月に送っての地下溶岩チューブ内の自律探査を目指している。(國井康晴/中央大学 理工学部 教授)

8:「月面探査/拠点構築のための自己再生型AIロボット」

月面において未踏探査および有人活動拠点の構築を行う担い手として、再構成が可能なAIロボットシステムを提案し、その実現に向けた研究開発を進めている。当日は、ロボットの実演および、プロジェクトの世界観を体感できる展示を実施する。(吉田和哉/東北大学 大学院工学研究科 教授)

開催概要

展示会名 「ムーンショット目標3 公開シンポジウム2025」開催概要
会期 2025年3月7日
13:15~17:00
会場 日本科学未来館 7階 未来館ホール、イノベーションホール 他
(東京都江東区青海2丁目3-6)
開催形式 成果講演:対面とオンライン併用のハイブリッド開催、成果展示:対面開催
主催 国立研究開発法人科学技術振興機構
共催 内閣府、文部科学省
参加対象 一般参加者(高校生以上の学生)、産業界関係者、メディア
※シンポジウムのオンライン配信はどなたでもご視聴いただけます。
参加費 無料
参加方法 シンポジウムへの参加を希望される方は、https://form2.jst.go.jp/s/MS3Symposium20250307_entry から申込み。


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ロボスタ編集部

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