ヒトの行動を促すロボット「ぽっちゃん」登場 日本科学未来館の常設展示「ハロー! ロボット」

日本科学未来館は常設展示「ハロー! ロボット」の一部展示をリニューアル。追手門学院大学理工学部情報工学科の高橋英之准教授が開発したスイッチロボット「ぽっちゃん」が新たに展示される。
一般公開は2025年7月2日より開始し、「ぽっちゃん」は未来館3階の常設展示ゾーンで自由に触れて体験することができる。
人とロボットの新しい関係を模索「ぽっちゃん」
追手門学院大学理工学部情報工学科 高橋英之准教授は人工物に対して人が抱く心的反応を、認知科学・心理学・神経科学・情報科学的アプローチを用いて研究している。
今回展示される「ぽっちゃん」は、日常の家電操作にロボットからの「感情表現」や「感謝」の要素を加えることで、人とロボットの新たな関係を模索するスイッチロボット。
「ぽっちゃん」は、ボタン付きの“何か”が筒の中で見え隠れしており、たとえば室温が高くなると「暑いなぁ」とつぶやくことで感情表現を行う。人がこの感情表現を受けてロボット上部のスイッチを押すと、連動している扇風機が作動しヒーターが停止。それに対して「ありがとう」などのお礼を述べる仕組みとなっている。
最大の特徴は、人が家電を一方的に操作するのではなく、ロボットを通じて人の家電操作を促しその行動に対して感謝を返すという、人と機械の双方向的なコミュニケーションにある。これにより人が本来持つ「してあげたい」という欲求や承認欲求を刺激する。
「ぽっちゃん」を通して人とロボットの感じ方の違いを知ることで、ロボットを含む他者に対する新たな視点の獲得や、よりよい他者との共存の仕方を考えるきっかけを提供することがこのロボットの狙いとのことだ。
リニューアルで6ロボットが新展示
2023年11月より未来館で始まった常設展示「ハロー! ロボット」は、ロボットたちとのふれあいや、最新ロボティクス研究の紹介を通して、未来の多様なロボットとのくらしを想像する展示。
リニューアルされた今回は「ヒューマン・ロボット・インタラクション人と通じあうためのテクノロジー」をテーマに、「ぽっちゃん」を含め6つのロボットなどを新たに展示し、自分とは違う価値観や判断基準をもつロボットとふれあう中で、人とロボットが、パートナーとして共生する未来を考える。
日本科学未来館/常設展示「ハロー! ロボット」概要
テーマ | 「ヒューマン・ロボット・インタラクション人と通じあうためのテクノロジー」 |
---|---|
一般公開日 | 2025年7月2日 |
場所 | 日本科学未来館3階 常設展示ゾーン 「ハロー! ロボット」 (東京都江東区青海2-3-6) |
休館日 | 火曜日(祝日、春・夏・冬休み期間は開館の場合あり)、年末年始(12月28日~1月1日) |
開館時間 | 10時~17時(入館券の購入および受付は16時30分まで) |
入館料 | 大人630円、18歳以下210円、未就学児無料 |
日本科学未来館で「ツカレからの脱出~疲れとやすみのサイエンス」を開催 自分に合った休み方や回復のヒントを発見
日本科学未来館「量子コンピュータ」「宇宙と素粒子」がテーマの常設展示を予定 未来の可能性に満ちた壮大な研究開発の最前線
【日本初開催】日本科学未来館で特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展」 タブレット型専用端末を使って「時空を旅する体験型」展示
日本科学未来館 「未来の老い」を考える参加型イベントを開催 モビリティの試乗体験や50年後の老いやICT社会を想像
【物理現象☓デジタル技術】体験型NFTアート「太陽の通り道 ― 霧のNFTがたどる永遠」日本科学未来館にて国内初展示 1月24日より
この記事を読んだ人におすすめ
-
「弱いロボット展」日本科学未来館で開催へ 約30種の「弱いロボット」が一同に集結、3つのトークセッションも
-
日本科学未来館で「ツカレからの脱出~疲れとやすみのサイエンス」を開催 自分に合った休み方や回復のヒントを発見
-
ナビロボット「AIスーツケース」がデザイン一新 AI音声対話など新機能を搭載して大阪・関西万博で本格実証へ
-
人生に寄り添う/科学を探求する/難環境で活動する「AIロボット」の実演や体験型展示 「ムーンショット目標3 公開シンポジウム2025」展示内容を発表
-
自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」大阪・関西万博での体験予約の受付開始
-
NVIDIAが「Jetson Orin Nano Super」をXmas装飾のキッチンで発表!生成AIモデルの性能を70%も向上、価格は半額
-
KDDIと「B.LEAGUE」所属の富山グラウジーズがロボットを活用した実証実験 運営の省人化・体験価値向上を目指す
-
大阪メトロ梅田駅でNTTの生成AI「tsuzumi」と案内ロボット「ugo」で多言語対応の社会実験 大阪・関西万博に向けて
-
家族型ロボット「LOVOT」専用服に節分セットが登場 おにのツノ・こん棒・しましまスカート、ひのきの枡も付属