立命館とNTT西日本が連携する理由【前代未聞】全在校生と卒業生、合計45万人に生成AI学習支援を提供へ

学校法人立命館とNTT西日本株式会社は、児童・生徒・学生・卒業生を含む『立命館学園』のすべての学習者に対し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を目指し、教育向け生成AIの共同開発および活用を開始した。
この取り組みは、2020年8月25日に締結した「ソーシャルコネクティッド・キャンパス」構想に基づく『学園ビジョンR2030』の具体的展開。
立命館とNTT西日本が連携する狙い
立命館は、『学園ビジョンR2030』のもと、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、各附属校の枠を超えたシームレスな教育・研究を展開している。多様な個人や組織が交わる学園の多様性を「総合知」としてプロデュースし、進化するテクノロジーを活用して教育・研究の高度化を目指している。
一方、NTT西日本はこれまで文教ビジネスを展開し、「18歳人口の減少」や「人生100年時代の社会人基礎力」、「リカレント教育」などの社会課題に対応するため、卒業生も含めた認証・連携サービス『LinkU-ID』を提供し、生成AIや電子教科書、LMS(学習管理システム)等のテクノロジーを組み合わせた教育の質向上に資する新サービスの創出を推進している。
立命館オリジナルAI「R-AI」の本格活用
まず、児童・生徒・学生・卒業生の「学び」の可視化と、立命館オリジナルAI「R-AI」の本格活用を進める。次に、生成AI、電子教科書、LMSとAI会話履歴の連携により「個別最適な学び」を提供する。
さらに、LinkU-IDとLinkedInラーニングを活用した生涯学習基盤としてオンライン学習サービスを提供し、先輩の学びの軌跡をもとにしたキャリア検討の仕組みやアルムナイネットワークを構成可能なプラットフォームづくりを実施する。
約5万人の児童・生徒・学生に加え、40万人を超える卒業生が対象
対象は約5万人の児童・生徒・学生に加え、40万人を超える卒業生であり、LinkU-IDを活用して会員化し、『立命館学園』の学習者と位置付ける。中央教育審議会が示す「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的充実を『学園ビジョンR2030』に基づき実現する。
「個別最適な学び」では、生成AIと電子教科書、LMS、学習者個々のコンピテンシーを有機的に連携させ、学習の個性化を図る。多くの教育機関が生成AI活用を事務にとどめる中、立命館は教育での活用を積極的に推進し、LinkedInラーニングも提供する。
「協働的な学び」では、学習者が主体的に学び、社会や人生に活かす意識を高めるため、児童・生徒・学生と卒業生を一つの社会と捉え、在学生と卒業生、卒業生同士の交流やキャリア検討を可能とするプラットフォームを構築する。
いずれの学びにおいても、立命館が有する教育情報にクローズに接続する生成AI環境を最大限に活用し、学びの可視化や学習者の成長・他者の価値認識を促進し、生涯にわたる能動的な学びを支援する。
今後の展開
今後、立命館はキャンパスを児童・生徒・学生・教職員・卒業生のリアルな交流の場として展開し、「リアル」と生成AI等の「デジタル」を融合させることで教育機関としての学びに寄与し続ける。NTT西日本は最新テクノロジーでこれを支えていく方針だ。
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