
株式会社EmplifAIは、操作者の身体動作や意図をリアルタイムにヒューマノイドロボットへ転写する遠隔・身体共有型テレプレゼンスの実装に成功したと発表した。
人の即興性とロボットの到達性を両立
同技術は、ステージ演出・ライブ配信などの「人が乗り移った」ような体験や、高所・狭隘・被ばくリスク等を伴う現場での代替支援に発展し得ることを示している。あわせて、PoC(概念実証)・実証実験の共同パートナー企業の募集を開始する。
自立させながらの身体制御は、既存の自律制御だけでは再現が難しく、現場適用のボトルネックだった。EmplifAIは、操作者視点の知覚と動作意図をロボットへ低遅延で写し取るアプローチにより、「人の即興性×ロボットの到達性」を両立。初期検証では、腕・上体・歩行の協調などの基本動作で追従を確認している。
技術の特徴と対応ロボット
同技術の主な特徴は、低遅延・高追従性を実現し、操作者の上半身・手先の運動をロボットへリアルタイム反映することだ。汎用ロボット対応として、ヒューマノイド(例:Unitree G1等)を中心に、用途に応じて拡張可能となっている。
幅広い応用分野での活用を想定
応用分野として、以下のケースが想定されている。
・エンターテインメント・ライブ演出:パフォーマーが「乗り移った」ロボットが舞台上で演技・所作を披露し、配信コンテンツの拡張が可能だ。
・教育・文化体験:熟練者の身体知を遠隔地へ「身体ごと」伝えるワークショップが実現できる。
・危険作業の代替支援:高所・狭隘・被ばく・有害物取扱い等の現場で、人の判断×ロボットの到達性を融合した作業が可能となる。
・イベント運営・接客:遠隔プレゼンスでの来場対応、案内、簡易作業などに活用できる。
共同実証パートナーを募集
同社は「この場面で使えるかも」「まずは軽く試したい」など、ラフな相談から歓迎するとして、共同実証パートナー企業の募集を開始した。想定領域は、エンターテインメント・イベント、製造・物流、インフラ、研究、自治体などとしている。
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