ヒューマノイドロボットのメーカーUnitree Roboticsは、2026年5月に東京・高輪で開催された「Humanoids Summit Tokyo 2026」に登壇、APEC DirectorのXiaoli Chen氏が講演をおこなった。ロボスタ編集部は講演終了後にChen氏へインタビューを行い、日本市場への取り組みや今後の事業戦略について話を聞いた。

特に印象的だったのは、「ロボットそのものよりもアプリケーションが重要な時代に入った」という指摘だ。
また、Unitreeが日本市場を重視し、直販よりも現地パートナーとの協業を優先していることや、QDDモーターなどの部品販売よりもヒューマノイドや四足歩行ロボットといった完成品事業を主軸に据えていることも明確に語られた。

Q. Unitreeは日本市場をどのように位置づけていますか。
(Xiaoli Chen氏)
日本は非常に重要な市場です。私たちは日本では基本的に「現地パートナー」と協力して事業を展開しています。
当社が直接販売を拡大していくよりも、日本の文化や市場を理解している現地企業と連携する方が、お客様へのサポートやマーケティングをより良い形で提供できると考えているからです。
これまで6年以上にわたり日本市場で活動してきましたが、パートナー企業との信頼関係は非常に強固なものになっています。
Q. 今後、日本でパートナー企業を増やしていく考えはありますか。
もちろん可能性はあります。
ただし、私たちはパートナーシップを非常に慎重に考えています。新たに提携パートナーを拡大していく前に、その企業や組織を十分に理解することが重要です。
また、現在のパートナーをしっかり支援することが最優先だと考えています。既存のパートナーを十分に支援できなければ、新しいパートナーを支援することもできないと考えるからです。
Q. ロボット市場は今後どのような方向に進むと考えていますか。
現在はロボットそのものよりも、「アプリケーション」が重要な段階に入っています。
これまではヒューマノイドや四足歩行ロボットの技術そのものに注目が集まる時期でした。しかし今は、多くの企業やユーザーが実際にどのような用途で活用できるのかを求めています。
そのため、私たちはアプリケーション開発やエンボディードAI(身体性を持つAI)の実現に向けた投資を重視しています。
ただし、これは一社だけで実現できるものではありません。ロボット業界全体、そして世界中の企業や組織が協力しながら発展させていくべきものだと考えています。

Q. Unitreeは近年アクチュエータ(QDDモーター)技術でも注目されています。部品ビジネスを拡大する考えはありますか。
その可能性を完全に否定するものではありません。しかし、私たちの主な事業の方向性はアクチュエータ単体ではなく、ロボット全体の開発です。
Unitreeは今後も四足歩行ロボットやヒューマノイドロボットなど、完成したロボットシステムの開発を中心に事業を進めていきます。
Q. 最後に、日本市場へのメッセージをお願いします。
私たちは日本市場にはとても感謝し、期待しています。日本には多くの友人やパートナーがおり、いつも温かく迎えていただいています。
今後はさらに日本でのサービスやメンテナンス体制を充実させ、日本のお客様により良いサポートを提供していきたいと考えています。
編集部コメント
Unitreeは近年、身体能力が高い四足歩行ロボットやヒューマノイドで世界的な注目を集めている。今回のインタビューでは、日本市場を重要視する姿勢とともに、「ロボット本体の性能競争」から、ロボットで何ができるか「アプリケーションの競争」への移行を強く意識していることがうかがえた。
また、調達した42億元のうち約48%を「AI」および「エンボディード・インテリジェンス」関連に投資する計画を明らかにしていて、今回の発言もその方針と一致する。
なお、6月10日(水)に開催する「ロボスタ カンファレンス」では、Unitree RoboticsのCountry Manager(日本担当)の WANG YUQING氏が登壇する。懇親会ではヒューマノイドも駆けつける予定。





