2016年、Google DeepMindが開発したAIの「AlphaGo」が囲碁の世界チャンピオンのイ・セドル氏を破ったことは、AIの歴史における画期的な出来事として記憶されている。それから10年、AIはデジタル世界を飛び出し、物理世界に足を踏み入れつつある。
中国のロボット企業Galbotは2026年8月23日、第2回世界人型ロボット運動会(World Humanoid Robot Games 2026)でヒューマノイドロボットがテニスの試合を行った映像を公開した。囲碁盤の上で人間を上回ったAIが、今度は自らの体でコートに立ったらどうなるのか。その一端を示す映像と言える。
動画の概要
Galbotのヒューマノイドロボットは、自らボールを認識し、判断し、コート上を移動しながら人間選手と対戦した。事前に動きを決めた台本のあるデモンストレーションではない。
まずはサーブをするシーンから映像は始まる。そのほかにも、ロボットが披露した技術としてサーブ、フォアハンド、バックハンド、リターン、ベースラインでの打ち合い、ネットプレー、リカバリーショットが挙げられている。


別のカットでは、ネットを挟んで人間選手とロボットが向き合い、ラリーを続ける様子や、ロボットがラケットを構えて素早く反応する場面も確認できる。対戦形式もシングルスにとどまらない。映像には、ロボットと人間がペアを組んで対戦するダブルス形式の場面も映っている。


100回を超える連続ラリーを記録したという説明も添えられており、単発の打ち返しにとどまらず、持続的な打ち合いが成立していたことがうかがえる。

まとめ
静止した物を操作する従来の実演型デモとは異なり、動くボールを認識しながら瞬時に移動し、判断し、打ち返すという点は、より高い難度を伴う。人間選手と同じルール、同じコートで対等に打ち合う映像は、ロボットの身体制御と認知判断が実際の環境の中でどこまで機能するかを示す一例と言える。
AIがデジタル世界を超えて物理世界を理解し、そこに関わり、競い合い始める瞬間という意味が込められているという。囲碁盤の上での対局から、コートの上での対戦へ。10年という歳月の中で、AIが活躍する舞台がどこまで広がったかを映し出す映像として、この試みは記憶されることになるだろう。物理世界における自律的なAIの進展が今後どのような場面に広がっていくのか、注視していきたい。
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