2倍高速化した組込型ディープニューラルネットワーク対応GPUボードの新モデル「Jetson TX2」をNVIDIAが発表

現地時間の2017年3月7日(日本時間の8日)、カリフォルニア州サンタクララに本社を置くNVIDIAは、産業用ロボットや生活支援ロボット、ドローンや都市部のAIスマートカメラ等に搭載可能な組込型AIコンピュータボード「NVIDIA Jetson」の新型「TX2」を発表した。
NVIDIAが発表した価格は2017年Q2に出荷開始で$399(1,000基以上の数量の場合)の予定。
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Jetson TX2モジュール

また、キャリアボードとJetson TX2モジュールを搭載した「NVIDIA Jetson TX2開発キット」も同時に発表した。米国と欧州では$599で発売され、3月14日から出荷を開始する予定(他の地域でも今後販売開始の予定)。これに伴い、「Jetson TX1 開発キット」の価格は$499ドルに引き下げられた。

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NVIDIA Jetson TX2開発キット。3月14日から出荷を開始

同社が発表した資料によれば、新型のTX2は高速性能は約2倍に引き上げ、消費電力は7.5Wに抑えて電力効率が向上している。Pascalベースの256コアGPUを採用し、メモリ容量も拡大している。

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Jetson TX2とJetson TX1の比較表

従来モデルのNVIDIA Jetson TX1は、同社が開催したイベントで、トヨタ自動車の生活支援ロボット「HSR」やサイバーダインの自動運転掃除機や運搬車、コンテスト用の小型の自動運転車などが搭載したものを展示し、組込型機器でディープニューラルネットワークを実現するボードとして注目されている。特にビジョン分野で成果を上げている。

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NVIDIAが開催したセミナー&展示イベント「GTC JAPAN 2016」では、ロボットやドローンに搭載する組込型AIコンピュータ「NVIDIA Jetson」と、それを採用するトヨタ自動車やサイバーダイン、アクティブリンク、宇都宮大学などが自社のプロダクトを展示した。講演しているのは同社CEOのジェンスン・ファン氏

ロボットやIoT、自動運転車などへの期待が高まる中、組み込み型のコンピュータビジョンのニーズは拡大している。また、コンピュータビジョンにディープニューラルネットワークの技術が有効なことから、JetsonなどのGPUを搭載した組み込み型のAIコンピュータボードが注目されている背景がある。

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Jetson TX1を搭載したトヨタ自動車の生活支援ロボット「HSR」(NVIDIAのイベント「GTC JAPAN 2016」にて)

一方、CPUを中心に開発を行っているインテルはAI分野で頭角を現したスタートアップ企業のNervana Systems社や、コンピュータビジョンのMovidius社を買収してAI分野を強化する考え。今後も組み込み型AI市場の活性化は予想される。

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Jetson TX2の主な機能は次のとおり

•GPU:256コアNVIDIA PascalアーキテクチャベースのGPU
•CPU:デュアル64ビットNVIDIA Denver 2、QuadARM A57
•ビデオ:4K x 2K 60fpsのエンコードおよびデコード
•カメラ:最大6台のカメラをサポートする1​​2本のCSIレーン。 2.5ギガバイト/秒/レーン
•メモリ:8GB LPDDR4。 58.3ギガバイト/秒
•ストレージ:32GB eMMC
•接続性:802.11ac WLAN、Bluetooth
•ネットワーク:1GBイーサネット
•OSサポート:Linux forTegra®
•サイズ:50mm x 87mm

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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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