ロボットたちがAIについてラップする「Robot’s Delight」が熱い
ロボットでラップといえば、Pepperのロボラップが有名だが、今回は新しいラップ曲を紹介したい。
その名も「Robot’s Delight」だ。
2017年ACM/IEEE国際ヒューマンロボットインタラクション会議(HRI2017)で最優秀ビデオとなった作品。作者は、Dylan F. Glas、Malcolm Doering、Phoebe Liu、神田崇行、石黒浩とクレジットされている。ATRでおなじみの錚々たるメンバーだ。
まず動画に登場するロボットはROBOVIE。ATRの知能ロボティクス研究所が開発したロボットだ。
人間とのやりとりの様子が紹介される。
興味深いのはそのロボットとAIの判断方法なども図や歌詞の中で説明されていくところだ。
後半、ERICA(ERato Intelligent Conversational Android エリカ)が登場し、見事なラップを見せてくれる。
ROBOVIEとERICAの実際のやりとりは、以下の動画を実際にご覧いただきたい。
Robots Delight
ロボットが、AIやロボットに関するリリックを若干オフビート気味なフロウでまとめている。しかしライムが若干足りてないと感じる。韻を踏むことよりも歌詞にこだわったというところか。ライムより、パンチラインとフックが重要という話かもしれない。何れにせよ、歌詞も映像も細部までこだわり抜かれた動画だと思う。
Sugarhill Gang – Rapper’s Delight
「Robots Delight」の原曲が、1979年にリリースされた「Rapper’s Delight」だ。この曲はラップ・ヒップホップの起源とも言われるほどの作品で、まさに音楽史に名を残すチューンだろう。(諸説あるが、有名な初期のヒップホップ曲であることは間違いないと思う。)
Chic – Good Times
蛇足ついでに、「Rapper’s Delight」のサンプリング元となった曲も紹介しておく。Chicの「Good Times」だ。オールドスクールなディスコ定番曲で、ナイル・ロジャースのギターのカッティング、バーナード・エドワーズのベースラインの組み合わせが堪らない名曲だ。
僕はこう思った:
ダンスクラシックの名曲が、ヒップホップ代表曲へ、そしていまやロボットが歌う時代へ・・・いやはやChicもこんなことになるとは想像もしてなかったでしょうね。
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。