AIに「聞く」より「頼む」ことで効率化が加速、パナソニックコネクトが生成AI活用により年間44.8万時間の業務時間削減を達成

パナソニック コネクト株式会社は、自社向けAIアシスタントサービス「ConnectAI」の2024年活用実績を発表した。同社が2023年2月から推進してきた生成AI活用により、2024年は44.8万時間の業務時間削減を達成し、前年比2.4倍の効果を実現した。


「聞く」から「頼む」へ、AI活用の進化が生産性向上を加速

同社は国内全社員約11,600人を対象に、「業務生産性向上」「社員のAIスキル向上」「シャドーAI利用リスクの軽減」の3つの目標を掲げてAI活用を推進してきた。2024年の利用実績では、利用回数が240万回(前年比1.7倍)、1回あたりの削減時間が28分(前年比1.4倍)となり、画像利用の場合は36分の時間削減効果を記録した。

月間ユニークユーザー率は49.1%に達し、前年から14.3ポイント増加した。主な活用事例として、プログラミングではコード全体の生成やリファクタリング、成果物作成では作業手順書や各種基準の作成、作業依頼では資料レビューやアンケートコメント分析などが挙げられる。

パナソニック コネクトは、社員のAI活用スキル向上により「聞く」から「頼む」活用方法が増加したことが今回の成果をもたらした1つの要因だと分析。加えて、技術の進化によって画像やドキュメントの活用が進んだことも、生産性向上に寄与したと捉えている。


特化AIと業務AIエージェントでさらなる効率化へ


2025年度は業務効率をさらに加速させるため、特化AIの対象拡大と業務プロセスへのAIエージェント活用を開始する。特化AIでは、品質管理、ITサポート、人事研修など多岐にわたる分野で7件の事例が公開されているほか、16件が検証段階に進んでいる。

業務AIエージェントについては、経理(決裁作成支援)、法務(下請法チェック)、マーケティング(メール添削など)の3領域で試験的活用を開始。今後は「ナビゲーター型」「ワークフロー型」「汎用型」の3種類に分類し、業務要件と実装可能な技術の観点から選択して活用を拡大していく方針だ。

同社は「現場から社会を動かし未来へつなぐ」というパーパスのもと、業務現場をAIで変革し、イノベーションをもたらすことで生産性向上を図っている。国内企業における先行事例として、日本全体の生産性・効率性向上に貢献し、持続可能な社会の実現を目指す考えだ。


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ロボスタ

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