スマートホーム実現へ向けた「未来の家プロジェクト」の実証実験 NTTドコモ、資生堂など10者の知見で横浜にて

and factory株式会社は、横浜市、株式会社NTTドコモと共同で立ち上げた「未来の家プロジェクト」において、新たな参画企業として、グリーンブルー株式会社、三和シヤッター工業株式会社、株式会社資生堂、凸版印刷株式会社、foo.log株式会社とともに、合計10者の知見を集結させ「IoTスマートホーム」を用いた第2回生活モニタリング実証実験を横浜市内で6月12日(火)より開始することを発表した。



プロジェクトの目的とこれまでの実験結果について

同プロジェクトは、IoT機器やセンサーなどを実装したIoTスマートホームを用いて実証実験を行い、将来的に人工知能(AI)を通じて、居住者にとって快適な室内環境の自動調節と健康管理もしてくれる「未来の家」の実現を目指すもので、「I・TOP横浜」内のプロジェクトとして2017年6月に立ち上げられた。第1回生活モニタリング実証実験では様々なIoT機器からデータを収集する基盤の運用および、行動パターンの可視化を行った。

現在、結果について分析を行っており、現時点のデータからは居住者ごとの生活行動に一定の傾向がみられることと、アンケートから健康意識の変容があったことが把握できているそうだ。今後は、より定量的な評価を行い、公表を目指しているという。



「第2回実証実験と今後の展開について」

第2回目となる今回の実証実験では、居住者に合わせた快適な居住空間の実現に向け、ドアの開閉記録、人感センサー値や空気環境なども解析し、個人の生活パターンを定量的に評価を行う。さらに、プロジェクト参画企業と連携し、離れて暮らす家族などを見守ることができる環境づくりや、居住者の状況に応じた食事やスキンケアのアドバイスを行う仕組みづくりについても検証が行われる。



これにより、「快適」に加えて「健康」「安心」「安全」「美容」といった面でも一人ひとりにあったサポートが得られる未来の住環境の実現を目指すという。また未来の家プロジェクトではスマートフォンを利用してIoT家電を操作することができる。

スマートフォンを利用した IoT家電操作の例

「室内環境(温度、湿度、照度など)センシング」「バイタルデータ(体重、血圧、睡眠時間など)センシング」「生活動線(ドア開閉、滞留点など)のセンシング」「スマートフォンを利用したアプリや対話による家電の一元操作」「センシングした情報の可視化(アプリや鏡への表示)」


「位置検出床(IoT建材)による動線センシング」位置検出床(IoT建材)による詳細な動線センシングが可能。見守り応用や位置による適切なアドバイスを予定。

「食事、美容に関するアドバイス」 食事内容の解析によるアドバイスや、肌状態や湿度など環境情報をもとに適切な化粧品を提供し、健康と美容をサポート。

「室外環境(温度、湿度、照度など)センシング」 IoTシャッターのコントロールや、室内に加え室外の環境情報センシングにより、安心・安全な生活を提供。
「未来の家プロジェクト」実証実験概要
場所
相鉄文化会館駐車場 ( 神奈川県横浜市泉区緑園4丁目3ー28)

実証期間
2018年6月12日(火)~2018年9月24日(月)

未来の家プロジェクトは、被験者がIoTスマートホームで、自宅にいるときと同じように1週間生活をし、実験前後の被験者の状態変化、意識変化、行動変容について評価・検証する。本人同意の上、収集したデータは匿名化して今後の実証実験の参考にするというもの。

目的は、「要介護者や独居老人の増加といった社会課題に対して、家が居住者に働きかけることによる課題解決を試みる。IoT、AI等の技術を用いることで、家が居住者に健康で快適な空間を提供できるかどうかを検証する」ということ。IoTやAI技術により、社会課題が解決できるのか。要注目のプロジェクトだ。


プロジェクトメンバーの役割

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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