【ロボコレ2018】衣装から始まるロボットの新たな文化! トークセッションレポート - (page 2)
ロボットメーカーが語る「服を着たロボットと人間の未来」
第2部は「ロボコレ」に参加したメーカーのキーマンの方々が登壇。「服を着たロボットと人間の未来とは」というテーマでトークセッションが行なわれました。
登壇者は、シャープの景井さん、ソニーモバイルコミュニケーションズ冨永さん、ソフトバンクロボティクスの中西さん、講談社の秋元さん、MJIの永守さん、ユニロボットの酒井さん。まさにコミュニケーションロボットの中心にいる方々が熱い想いを語っていきました。
河原さん
講談社の秋元さんに伺いたいのですが、今回アトムは服を着てるじゃないですか。その際に講談社の内部で議論のようなものは行われたのでしょうか?
講談社:秋元さん
原作でもアトムは、実は普通に中学に通っていて、そのときは裸ではなく学生服とか着ているんです。なので、服を着ること自体は別におかしいことではないんですね。逆に言うと、最初にパーカーを着せたのですが、非常に評判が良くて。着ている方が通常なんですよ。
河原さん
今回テーマは「服を着たロボット人間の未来」という話ですが、前のセッションからの流れとして、服を着た瞬間に次の時代が訪れるというのがあったのですが、この中でいうとロボホンは着せる文化というのがあるのではないですか?
シャープ:景井さん
基本的にメーカーの目線としては、「着ていると壊れちゃう」というのがあるので、メーカーから「服を着せてください」とは言えません。しかし、ロボホンと一緒にいると愛着が湧いてきて、どうしても服を着せたいという要望が出てくる。そんな時に、ちゃんと動く洋服があればと思っていたので、Pepperの洋服の実績もあるロボユニさんを紹介してもらいました。
河原さん
Xperia Hello!はびっくりしました。実際に服を着たロボットと着ていないロボットとで、ユーザーの反応を見て、可能性があるなと思ったことはありましたか?
ソニーモバイルコミュニケーションズ:冨永さん
Xperia Hello!は考えてこういうデザインになりました。それはそれでよかったのですが、手と足が付いていないので、お客さんは「ロボット感」をなかなか感じてもらえないんです。「これってもしかして他社の筒型スピーカーなの?」という誤解を、形状で感じさせてしまう。そんな時に、衣装で手をつけたのを見たところ、Xperia Hello!で少し足りなかったパーツを補うという意味で、非常にポジティブな可能性を感じました。
MJI:永守さん
タピアはこの中で唯一の女の子なんで。スゴイセクシーなんですよ。(ちょっと衣装をずらす)
一同
おぉー!
MJI:永守さん
タピアをセクシーだと思ったことなかったんですけど、ちょっと感情が…。(笑)
ユニロボット:酒井さん
最初、ユニボを泉さんに渡したところ、ユニボのデザイン上、他の衣装とは違い、3Dプリンタを使う必要がありました。いろんな会社の受付に置いたときにコーポレートカラーを入れたいという要望もあるので、パーツの色を変更できるようにもなっています。
西村さん
フランスのVivaTechという展示会に見に行ったのですが、そこにいた「Pepper」や「NAO」は裸だったんです。海外に展開したいなと思うことはありますか?
ソフトバンクロボティクス:中西さん
ユニフォームをその場で買えるようにすれば良いんじゃないかという意見は、そのVivaTechのイベントでもありました。
シャープ:景井さん
服を着るという「文化」の話は凄く大事な話だと思っていて、人間の社会に近付いていって人間と同じ様に社会性とかも広がっていくと思います。ファッションがロボット側から発信されるということになると、新しい価値観が生まれる気がしています。
西村さん
服を着たロボットの効果とかありますか?
ソフトバンクロボティクス:中西さん
ロボットを販売するときに、機能を訴求することはよくあるじゃないですか。見守りであったりとか。でも本来ロボットはそうではないんじゃないかと思っていて。もっと感情に訴えるとか、もっと内面的なものとか、人の気持ちに寄り添うとか、そういうのがちょっとずつ広がっていくのかなと。
ソニーモバイルコミュニケーションズ:冨永さん
Xperia Hello!はどうやって人に愛されるかというのをかなり研究して作っていて、手も足もないので、どうやったら表現をしたらいいかを頑張って作ったんです。人間には近づけないんだけど、やっぱりおじいちゃんおばあちゃんには孫みたいな存在になっている。愛され方ってものすごく抽象的で難しいけど、そこは日本だからこそ出来るものなのかなと。
河原さん
最後に、今後ロボユニさんにお願いしたい衣装はありますか?
ユニロボット:酒井さん
ユニボは手が取れるので、これが一つの特長で買ってもらえています。例えば手の色をピンク色とか。そういう世界観だったり。色が変えたいというお客さんがいるので、全面的に色を変えられるようにしたいなと。そういうところをお願いしたいなと思っています。
MJI:永守さん
今日はセクシーなので、もうちょっとおばあちゃんに好かれるようにして欲しいなと。
ソニーモバイルコミュニケーションズ:冨永さん
今回は1着目だったりするので、色々考えていきたいなと。愛されるといった面でキャラモノとか作れたら良いなと思っています。
講談社:秋永さん
今日始めてつなぎを着たので、これを着せたいですね。
シャープ:景井さん
次作っているのでどうしようかな…。もうすぐ夏なので浴衣を着せたいかなと。2歳の誕生会でロボホン音頭をやったので。地方で使ってもらう機会があるので。地域でしか作れない染め物とかあれば良さも伝わると思います。
ソフトバンクロボティクス:中西さん
次は帽子が欲しいですね。頭寂しいなと。色々クリアしないと行けない部分もありますが、帽子を被ることができれば、もっと世界観が広がるかなと思っています。
ロボットが服を着ることで、新しい文化が作られるというのは非常に興味深いトークセッションでした。「ロボコレ」がロボット、そして人間も含めた新しい文化のスタートになればいいですよね。