インターコンチネンタルホテルが中国のホテルにBaiduのスマートディスプレイを投入

2018年7月5日、大手ホテルグループのIHG(インターコンチネンタルホテルズグループ)が、中国IT大手のBaidu(バイドゥ)との提携による「AIスマートルーム」を発表した。

IHGとBaiduは、昨年11月にAI開発に関する戦略的パートナーシップを締結しており、その成果として、今回ホスピタリティ向けソリューションとなったものだ。


AIスマートルームは、ホテルの部屋にBaiduのスマートディスプレイを設置するもの。DuerOSプラットフォームが採用されており、インターコンチネンタルホテルズ&リゾーツ向けにカスタムされたAIアシスタントが搭載される。宿泊者が音声でさまざまな指示を出せるのはスマートスピーカー同様だが、ディスプレイ搭載モデルが採用されており、はじめての人でも使いやすいと考えられる。



左がIHGのプレスリリースの写真、右はLittle Fish VS1。

なおBaiduがすでに発表していたスマートディスプレイ「Little Fish VS1 smart speaker」とは似ているがデザイン、サイズが若干違っている。VS1よりも丸みを帯びて、高さ方向も低くなっているようだ。

このAIスマートルームはまずはインターコンチネンタル北京サンリトゥン、インターコンチネンタル広州エキシビジョンセンターの宿泊者が体験できるようになる。今後、合計100のAIスマートルームがIHGグループの中国主要ホテルで利用できるようになるという。


(参考)アリババとマリオットの動き


2017年10月に大手ホテルグループのマリオット(Marriott International)が中国アリババグループの「Tmall Genie」を採用し、客室内にスマートスピーカーを10万台展開するとという発表された。マリオット傘下のリッツカールトン、ウエスティン、シェラトン、マリオットなど5,500ホテルのうち、中国展開のホテルへの導入が見込まれている。


(参考)アマゾンもホテル向けサービス展開を発表済み


2018年6月に、米アマゾンもAmazon Echoのホテル向けソリューション「Alexa for Hospitality」を発表している。

採用ホテルとして、マリオットインターナショナルが、マリオットホテル、ウェスティンホテルズ&リゾーツ、セントレジスホテルズ&リゾーツ、アロフトホテルズ、オートグラフコレクションホテルズなどの名前が発表済みだ。


僕はこう思った:

ホテル業界でのスマートスピーカー導入の動きは国を問わず活発化しており、今後の展開にも注目していきます。

自宅でスマートスピーカーを使っている人にとっては、ホテルにスマートスピーカーがないのは不便に感じでしまうということもあり、近いうち必須のホスピタリティになっても不思議ではないように思います。



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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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