アマゾンが新Echoシリーズ説明会を開催!プリンタスキル連携、Amazon Pay連携、マルチ画面APL、Fire TVアレクサなど盛りだくさん

アマゾンジャパンは、新しいAmazon Echoシリーズや「Fire TV Stick 4K」とAlexa連携、開発ツール等の説明会を報道関係者向けに開催した。
今回の記事では、Alexaのスキルからプリンタ出力が可能になった「Skill Connections」のデモ、様々な画面サイズのデバイスに対応したスキルの開発を支援する「Alexa Presentation Langage」(APL)の概要、Amazon Payとスキル連携したビジネス活用例、「Fire TV Stick 4K」のAlexaでリビングで買い物するデモなど、拡張されたばかりの機能を具体的にわかりやすくレポートしよう。

アマゾンジャパン合同会社 アレクサビジネス本部 兼 モバイルビジネスデベロップメント GM/本部長の柳田晃嗣氏


画面対応のスキルは1500以上に

Amazon Alexaスキルの数は順調に伸びていて、Echo spotを発表した7月から画面に対応したマルチモーダル・スキルも増えて、1,500以上になった。そんな中、開発者の要望を聞いてきたところ、多かった要望は「スキルとスキルの連携」だったという。この声を受けて「Skill Connections」を開発し、「プリントスキル」をリリースした。「Skill Connections」は複数のスキルの機能を連携させる機能だ。これはワールドワイドでの一斉に発表されたもので、10月5日にロボスタでも記事で紹介したが、日本市場でもキヤノンとエプソンのプリンタ150種類(モデル)を、スキル上から利用できるようになる。

具体例を紹介しよう。会場ではオフィスを模したコーナーが用意され、デモも行われた。デモの内容は「場所当てクイズ」のスキルで問題を解いている最中にその画像をプリンタに出力するというもの。答えは万里の長城なのだが、回答する前に途中で画像を印刷するようにリクエストする。Alexaはエプソン・スキルに画像と印刷リクエストを送り、プリンタから画像が印刷される、という内容だった。




プリンタ連携が可能に

「Skill Connections」で利用できる機能は現時点では第1弾となるプリンタ出力のみ。Amazonがプリンタ連携用の機能を「Skill Connections」として公開したことで利用できるようになった。元のスキル(この例では「場所当てクイズ」のスキル)側で印刷するプリンタを予め設定しておくと、そのプリンタスキルと連携できるようになるという。
勘違いしないようにしたいのは、どんなスキルでも勝手にデータ連携ができるようになったわけではないということ。

今後どのような機能の連携をしていくかは未定だが、開発者からの要望では「レストランの予約をしたが予約時間が迫っているので自宅からレストランまでのタクシーを呼びたい」といったようなものがあがっていると言う。
これは推測だが、スキル上から「電話をかけたい」「電車での行き方や詳しい場所を確認したい」などのニーズも大きいように思う。それらの機能ごとに開発を進め、アマゾンから提供していくようなスタイルになるのではないだろうか。これから開発者らの要望を聞いて、連携が必要な機能を吟味、実現していく方針のようだ。


様々な画面サイズのデバイスに対応

今回10.1インチの画面を持った「Amazon Echo Show」が発表されたことで、発売中の丸型ディスプレイの「Echo Spot」や、大画面テレビでAlexaと連携できる「Fire TV Stick 4K」など、画面表示のサイズは様々なものになった。
画面を持ったAmazon Echoシリーズの最大の特徴は、音声インタフェースを基本とするものの、Alexaが返答する音声メッセージに合わせて適切な画像をユーザーに解りやすく表示できることだ。例えば、天気予報はアレクサの読み上げとともにアイコンで表示した方がユーザーには解りやすい。週間天気や一覧表示も音声のみより画像付きの方が手っ取り早い。また、メニューから料理を選択するなど、画面を見ながら選んだ方が音声のみより解りやすいものもある。

天気予報の例。画面上にアイコン表示されることでユーザーにとってはAlexaの音声読み上げのみよりわかりやすくなる

様々な画面サイズのGUIを開発・制御することが開発者には求められるようになった。これを解決するツールが「Alexa Presentation Langage」(APL)だ。これをリリースすることで開発者は簡単にマルチモーダルなスキルを開発できるようになる、と言う。

APLを使うと画面サイズも形も違うデバイスでも、綺麗で硬筆室の画像を表示するスキルを簡単に開発できるようになる(ピッツァ サルヴァトーレのスキル画面)

9月にグローバルでAPLを発表した際、出前館とJTBがAPLを使ってスキルを開発することを発表している。今回は更に京橋ワインやホットペッパーグルメ、クックパッド、クイック、サントリー、リンベル、Yahoo!Japan、日産自動車などが13のスキルをAPL開発環境で開発したと言う。APLの開発環境は今月中にスキル開発者に向けて順次公開していく予定だ。




Amazon Payをビジネス活用

Amazon Payをビジネス活用した事例も紹介された。JTBの「おでかけチケット」スキルを例に、オススメのデートスポット「八景島シーパラダイス」の割引入場券を購入するデモが行われた。


「Fire TV Stick 4K」でリビングで買い物

リビングのソファーに座って、「Fire TV Stick 4K」を使って大きな画面で商品を見ながら注文するデモも行われた。スキルはリンベル(RINGBELL)のギフトショップ。



ボイスファーストの音声を使ったインターフェイスでありながら、画面と連携した様々な機能への展開が可能になったAmazon Echoシリーズ。「APL」や「Skill Connections」「Amazon Pay」「Fire TV Stick 4K」との今後の連携も楽しみだ。


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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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