AI搭載の自動運転車の関心度は78%、高齢者・障害者の移動支援、燃費の節約、重大事故の減少に期待している。IoT活用商品への認知度は欧米に比べて日本の方が高い。アンケート調査で浮き彫りになった。
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは同社が運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」の登録モニターおよび、サーベイ・サンプリング・インターナショナル(SSI)社の海外パネル協力を得て、東京理科大学松本朋子研究室、東京大学太田勝造研究室、岡田謙介研究室、加藤淳子研究室らと調査したもの。
近い将来に実現すると注目されているAI搭載の自動運転車と、急速に商品化が進んでいるIoT活用商品の二つを例に、先端技術関連商品に対する消費者について調査した。
欧米先進国3カ国(米国、英国、スウェーデン)と日本を比較している点が興味深い。
先端技術を用いた商品に期待する内容は各国ともに共通性が高い一方で、期待、商品の安全性に対する心配、費用などの度合いについては、各国で異なる傾向が見られた。
AI自動運転車の方が IoT より認知度と関心度は高い
AI搭載の自動運転車と、IoT活用商品、それぞれに対する認知度を調査した結果、AI搭載の自動運転車については認知度がどの国も7割を超えた。
日本 78%
英国 74%
米国 72%
スウェーデン 88%
IoT活用商品への認知度は日本を除く3カ国では低い結果となった。
日本 68%
英国 41%
米国 46%
スウェーデン 37%
関心度は、米国がAI搭載の自動運転車とIoT活用商品ともに高く、スウェーデンでは関心が低い。日本と英国がその中間となった。
AI自動運転車に対する期待
AI自動運転車に対する期待値は各国ともに、高齢者・障害者の移動支援、効率的な運転による燃料費の節約、重大事故の減少の3つで、高いことがわかった。
日本人は「期待はする」がお金は払いたくない
面白い点が、消費者の先端技術に対する期待が高いからといって、必ずしもその期待が先端技術にかかる費用に対する支払い意欲に直結するとは限らないこと。自動車を所有している人を対象に調査したところ、米国・英国・スウェーデンでは、自動運転機能を搭載するために、現在の車の購入価格の「約半額」までなら追加で支払う意欲がある、と回答したのに対して、日本人は現在の車の購入価格の「1/4程度」しか追加で支払う意欲がないことが明らかになった。
IoTは私生活で使いたい
IoT活用商品を利用したい場面について質問したところ、各国共通の傾向として、私生活での利用が多かった。用途としては、各国共通で、財布・鍵の位置、室内温度の管理を上位に挙げた。
日本人「安全性に対する不安感」
日本の消費者は他の3カ国に比べると、先端技術に対する期待が強いにもかかわらず、先端技術導入のための追加費用を負担することに消極的だ。その理由として調査会社は「安全性に対する不安感」をあげている。今回調査したいずれの国においても回答者の過半数が、商品の安全性に対する不安感を抱いているものの、その不安感の強さは日本人が他の国の人々を上回る結果となっているためだ。
・調査方法: 非公開型インターネットアンケート
・調査期間: 平成30年11月30日~平成30年12月14日
・有効回答者数: 各国在住20歳~69歳までの各500名に対し、各国の性年代別の人口構成比に応じて割付を行い実施