UBTECHが人型ロボット「Walker」の最新版を発表、一般家庭向け #CES2019

UBTECHがCES 2019で、一般家庭向けの人型ロボットWalkerの最新版を初めて発表した。最新版のWalkerは、身長1.45m、体重77kgで、スムーズな二足歩行が可能だ。家庭の中で、ドアを開け閉めしたり、物を持ち上げたり、水を注いだり、スマートデバイスをコントロールすることもできる。

最新版Walkerの紹介ビデオ

2017年発表したプロトタイプや2018年のCESで展示した初代のWalkerと比較すると、外見と機能が著しく進化した。


左から2017年のプロトタイプ、CES2018で展示した初代Walker、CES2019で展示した最新版のWalker

外見上、一番明らかに見える変化がアームだ。UBTECHが独自開発したサーボモーターや新しい構造デザインにより、最新版のWalkerのアームは7つの自由度を持ち、ドアの開け閉めや、物の持ち上げなどの機能が実現できている。まるで人のアームのように自由に動かすことができるようだ。1本の腕で1.5kgまでの物を持ち上げることができ、2本の腕では最大10kgの物を持ち上げることができる。

Walkerはただ重いものが持てるだけでなく、繊細なことも可能。例えば、手は4つの自由度を持ち、絵を描くこともピアノを弾くもできる。

そして最新版のWalkerは、外力の識別と反応が可能になった。例えば、Walkerにドアを閉めるよう指示をしても、人がドアを開ける力を感じると、自動的にドアを閉めることをやめる。またアームは人に押されても、自動で元の位置に戻る。

アームと手だけではなく、足も進化している。カーペットや、大理石、木製のフロアなどでもスムーズに歩くことができる。障害物や、階段など家のような複雑な環境でも難なく歩行が可能だ。アームと同じ、足もフレキシブル性を持っているため、外力を受ける時に、ロボットが自身の位置と姿勢を変えて、バランスを維持する。

UBTECHの開発したU-SLAM技術が搭載されているため、物の輪郭や、色、深さなども識別でき、Walkerが地図を作る時やルートを最適化する時に、動いている物を避けたルートを見つけることが可能だ。

UBTECHは今後もWalkerを引き続き研究開発し、最先端のIoT技術・5G通信技術の活用しつつ量産化を図っていくと展望を述べている。

ABOUT THE AUTHOR / 

郭 心宇

中国出身、1993年生まれの25歳。2018年東京大学プロトタイピング・デザイン研究室から修士課程を終了した。中国・日本のロボットを調査しながら、知識と経験を積むことを目的として、ロボスタでアルバイト中。ロボット以外では、スポーツと旅行も好き。日本全国を回ることが三年以内の目標です。

PR

連載・コラム