都産技研と東京ビックサイトが「運搬/清掃/案内/警備」のサービスロボット統合管理の実装実験 TISの「RoboticBase」を活用

人材採用難や高齢化社会といった社会課題解決には、人の物理的業務を代替するAI/IoT搭載のサービスロボットの活用が有望であると考えられている。サービスロボットが様々な施設や企業で人と共存するためには、これまでとは扱いの異なる「動くIoTデバイス」のリスク管理や安全性を考慮したシナリオ設計が重要だ。サービスロボット活用においては、利便性と効率性、安全性を最大限考慮することで、人とサービスロボットが協働する新たなサービスが実現できるといえる。

そこで、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)と株式会社東京ビッグサイトは、2019年11月より東京ビッグサイト(東京国際展示場)で実施しているサービスロボット活用の社会実装プロジェクトを開始。TISインテックグループのTIS株式会社は、このプロジェクトに「ロボットやIoTデバイスの統合管理と企業システム間連携」を実現するプラットフォーム「RoboticBase」を提供し、システムインテグレーションを行ったこと11月28日に発表した。

同プラットフォームはサービスロボットを「動くIoTデバイス」の一つとして業務システムに組み込む手段として開発・活用しているもので、今回同社が行ったシステムインテグレーションは以下の通りだ。

▼ TISが行った内容

1.「運搬/清掃/案内/警備」の4種類のサービスロボットの定量、定性評価の手法確立
2. ロボット・リスクアセスメントの策定
3. ロボットシステムの要件定義、システム開発、導入、保守
4. システムインテグレータとしてのプロジェクトマネージメント、マルチベンダー交渉
■「RoboticBase」について
TISの「RoboticBase」は、運搬/清掃/案内/警備ロボットなど種類の違うサービスロボットやセンサー、カメラ、サイネージなどのIoTデバイスを統合管理する基本機能や、施設管理や企業システム、外部データとの連携などを行う。 なお、同社は、同プロジェクトを通じて「RoboticBase」のサービスロボット管理機能(稼働監視、タスク管理、ロボット制御、リスク管理、資産管理、オープンデータ連携、データ分析、レコメンド、決済連携など)の充実を図っていき、施設の特徴や用途に合わせてサービスロボットと同プラットフォームを組み合わせ、コンベンションセンター、空港、再開発街区および駅型の複合施設、オフィスビル、病院、ホテルなど順次サービス展開を予定している。

「RoboticBase」のユーザインタフェース(例)

「RoboticBase」のユーザインタフェース(例)




同プロジェクトの概要

東京ビッグサイトの西棟および南棟で、「運搬/清掃/案内/警備」4種類のサービスロボットを施設内で実運用する社会実装トライアルとして2019年11月より実施。
各サービスロボットは、タスク効率化と業務上の利便性を考慮し、実際にこの4業務を行う従業員からのヒアリングにもとづきロボットシステムの要件定義を行うことで、施設での実業務にロボットを取り入れる場合のメリットデメリットを見極め、業務をロボットとヒトに切り分ける本格的なロボット運用のシナリオ策定を目指す。

▼ 目的と検証ポイント

1. 「運搬/清掃/案内/警備」業務のヒトからロボット置き換え時の目標設定、評価方式
2. 施設管理でのロボット導入のためのユーザインタフェースやリスクアセスメント
3. 「RoboticBase」と自律走行ロボット間のインターフェースにおけるデータモデル







「運搬/清掃/案内/警備」4種類のサービスロボット

実証実験では、都産技研や中小企業が共同研究により開発した「運搬ロボット:サウザー」、「清掃ロボット:Debris(デブリ)」、「案内ロボット:Siriusbot(シリウスボット)」、「警備ロボット:Peruseusbot(ペルセウスボット)」を採用している。


追従運搬ロボット「サウザー」

人を認識し、そのあとを追従して運搬する、株式会社 Doogが開発した追従運搬ロボット。現在は、東京ビッグサイトで発生した廃棄物などを、スタッフが台車で長距離運搬しており、この作業に同ロボットを使うことで、運搬作業の負担軽減を目指す。




清掃ロボット:Debris(デブリ)

都産技研が筐体開発を、株式会社セックがロボットソフトウェア開発を行い、都産技研独自開発の「T 型ロボットベース」を足回りとした自律走行型のドライ清掃ロボット。2019年にオープンした南棟への連絡通路は、約170メートルあり、現在は、スタッフが手作業でその通路を清掃している。この通路の清掃作業に清掃ロボットを使うことで、清掃作業の負担軽減を目指す。なお、本通路は直線距離が長いため、清掃領域を四つにブロック分けしてブロックごとに清掃を行う。




案内ロボット:Siriusbot(シリウスボット)

08ワークス株式会社、日本ユニシス株式会社、株式会社パルコ、都産技研により開発、筐体デザインは南デザイン株式会社が手掛け、都産技研開発ロボットLibraをベースに商業施設向け案内・店舗棚卸ロボットとして開発。エントランスホールにて、施設の案内や周辺観光の紹介などを行う。4言語(日、英、中、韓)に対応(言語切り替えはマニュアル)が可能であることに加え、ディスプレイと連動して案内可能。主に、頻繁に問い合わせのある質問などをロボットが対応し、施設案内業務の負担軽減を目指す。




警備ロボット:Peruseusbot(ペルセウスボット)

日本ユニシス株式会社、西武鉄道株式会社、アースアイズ株式会社、都産技研が開発を、南デザイン株式会社が筐体デザインを行った。不審物の検知と警備スタッフへの通報をする同ロボットは、2018年、西武新宿駅にて実証実験を行っている。今回は、エントランスホールにて、日中は「立哨警備」を、夜間は「巡回警備」を行う。また、警備中は音声で警備中であることをアナウンスすることで防犯効果を高め、警備スタッフと共同で警備業務を行い、警備業務の負担軽減を目指す。

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ロボスタ編集部
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