パナソニック「Aug Lab」自己拡張によるウェルビーイング実現を目指す活動成果を発表 2020年度の共同研究パートナー募集

パナソニックはロボティクス技術などの先端テクノロジーの活用で、人やくらしがより豊かになるウェルビーイング(Well-Being)な社会の実現を目指す組織「Aug Lab」を2019年4月に開設した。この度、その組織の1年間の活動成果として、ゆらぐ壁「TOU」(トウ)、コミュニケーションロボット「babypapa」(ベビパパ)、遠隔応援デバイス「CHEERPHONE」(チアホン)を発表した(いずれもプロトタイプ)。


なお、更なるオープンイノベーションを加速させるために新たな共同研究パートナーを新規に募集することを発表した。1件あたり300万円~500万円の研究費(間接経費なども含む)を想定している。

ウェルビーイング(Well-Being)とは
「良い状態」「幸福」とも訳される。1946年の世界保健機関(WHO)憲章の前文で「健康とは、単に病気や病弱ではないということではなく、肉体的にも精神的にも社会的にも全てが満たされた状態(ウェルビーイング)にあること」と定義されている。


自己研究をテーマに研究開発「Aug Lab」

パナソニックはロボティクス技術がもたらす新しい価値として「自己拡張」(Augmentation)に関する研究開発を行うための組織「Aug Lab」を2019年4月に開設。「Aug Lab」の活動は人の能力・感性をロボティクス技術でどのように拡張するかという工学的な研究だけではなく、その根源にある「人はどのようなことに心が動くのか」、「どのような状態になるとウェルビーイングになるか」ということをデザイナーやクリエーターなどの工学以外の視点も加えて研究することや、プロトタイピングの開発を通じて探索していくことを目的としている。

パナソニックは2019年度の「Aug Lab」の活動の中でプロトタイピングを実施したプロジェクトの成果発表を行った。
また、2020年度に一緒に研究開発を行うパートナーを広く公募する。

「Aug Lab」共同研究パートナー募集概要

同社は今後も多くのパートナーと連携を進めながらコミュニティとしても拡大をし、「自己拡張」の領域における価値探求を進め、より多くのウェルビーイングを実現するプロダクトやサービスの社会実装を進めていくとしている

「Aug Lab」でプロトタイピングを実施した3つの成果内容


ぼーっとするきっかけを提供する ゆらぐ壁「TOU」(トウ)

「TOU」(トウ)は部屋の外を吹く風に反応し、静かにゆらぐ壁。「風のゆらぎ」という人やAIでは規定できない不規則な現象を、情報過多な空間に注入することで、ふとした時にぼーっと抽象的な思いにふけるきっかけを提供してくれる。


ゆらぐ壁「TOU」 共同研究パートナー:株式会社コネル
「TOU」のゆらぎでぼーっとなれるきっかけを提供(公式サイトから引用)
未来の空間は、きっとデジタルテクノロジーで満たされます。人をリフレッシュさせてきた自然界との距離は遠くなっていくでしょう。TOUは様々な状況で「ゆらぎ」をもたらし、思考の拡張によって人らしいウェルネスを保つことに貢献していきます。

利用シーンはデジタルが充満する空間、自然が不足する空間での活用をイメージしているという。例えば、窓のない会議室や閉鎖的なリモートワークの仕事部屋、密閉された病室、宇宙ステーションの居室、ビルの地下階など。

現時点では壁がゆらぐ仕組みを実装している。今後は、屋外の風のセンシングにチャレンジしていくという。また、部屋の外だけではなく、「リゾート海岸など遠隔地の風に反応させる」「ガラスの床の下に敷き詰めて水面の動きに反応させる」「小型化して、ポータブルなランダム家電として展開する」ことも検討できるとしている。


3匹1セットのコミュニケーションロボット「babypapa」(ベビパパ)

子供の成長過程を写真に残したい。でも、いつもカメラを構えているのは大変だし、部屋にカメラを設置するのは監視しているみたいで嫌。カメラ自身が友達みたいな存在で、笑顔を生み出して、写真に収めてくれる、そういった存在なら良いのではないか。そんな想いから開発されたのが「babypapa」(baby&parents partner)。3匹1セットでお互いが連携し合い、歌ったり騒いだりなどバリエーションに富んだ行動で子供を喜ばせ、日常を写真に収めてくれる。



今後の展開は「画像認識、音声認識によるコミュニケーション能力の向上」「動作パターンの追加」「実際の子供に向けた、プロトタイプの価値検証」を行っていくとしている。


声援を遠隔から届ける遠隔応援デバイス「CHEERPHONE」(チアホン)

スポーツ観戦の形は、ラジオからテレビへ、そしてスマートフォンへと時代とともに進化し、会場に居なくてもリアルタイムで試合を見られるようになった。会場で「想い」を声にのせて応援することは、アスリートへの後押しとなるが、離れた場所からの観戦ではどんなに大きな声を挙げても会場へ「想い」を届けることができない。



CHEERPHONEはマイク機能を有する親機とスピーカー機能と発光機能(LED)を有する子機のデバイスにて構成される。親機にて入力された音声が離れている子機へ届けられ、発光しながら音声を再生する。これにより離れていても声援を届けることができる



CHEERPHONEは親機と子機の2デバイスで構成される


「想い」が届く新しい応援のカタチを提案
その昔、日本では全国から伊勢神宮にお参りをする「お伊勢参り」の文化がありました。遠方から伊勢へ行くことは、大変時間と費用がかかるものでした。そこで、仲間同士が費用を出し合い、代表者が伊勢に行き、「想い」を託された者は、皆を想ってお祈りをしていました。「CHEERPHONE」は、日本の人と人を紡ぎ、「想い」を託す文化を取り入れ、離れていても、「想い」が届く新しい応援のカタチを提案します。


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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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