ソニーAIとavatarinが次世代のアバター/遠隔操作ロボット開発に向けて協力 ノウハウを組み合わせて技術開発と社会実装を目指す

ソニーグループのソニーAIとANAグループのavatarin(アバターイン)は、ソニーAIのAI・ロボティクス技術とavatarinのアバター(遠隔操作ロボット)技術を組み合わせ、次世代の遠隔操作ロボットの開発に向けて協力していくことで基本合意したことを発表した。

自律型ロボットはまだ安全性やコスト、機能面から実践導入には多くの障壁があるとされている。また、人が物理的な作業を行うことが困難な場所でロボットの活躍が期待されている。こうしたケースに、次世代の遠隔操作ロボットやテレプレゼンス技術が有効という見方もある。最近では、オフィスや店舗、家庭など、日常的なユースケースでもアバターの利用が検討されるようになってきた。



こうした社会のニーズに応えるべく、ソニーAIのAI技術とロボティクス技術、ソニーグループが有するセンシング、アクチュエータデバイス技術やノウハウと、avatarinの持つ遠隔操作ロボットに関する技術、プラットフォーム、多数の検証結果とノウハウを組みわせることで、誰にでも使いやすい次世代の遠隔操作ロボットの技術開発、および社会実装に関する検討を始める。


2020年4月1日に設立されたソニーAI

株式会社ソニーAIは「人々の想像力とクリエイティビティをAIによって解放する」というミッションを有して、2020年4月1日に設立された。ソニーAIはAIの研究開発を加速し、ソニーグループの擁するイメージング&センシング技術、ロボティクス技術や、映画・音楽・ゲーム等のエンタテインメントの資産を掛け合わせ、全ての事業領域における変革と新たな事業分野の創出に貢献することを目標としている。

また、「ゲーム」「イメージング&センシング」「ガストロノミー」の三つの領域においてAI技術の進化とその応用を目的とするフラグシップ・プロジェクトを立ち上げている。さらに、AIとロボティクスの技術を掛け合わせて社会・地球規模の様々な課題に取り組むことも視野にいれている。ソニーAIでは物理的実世界領域と仮想領域において、これらフラッグシップ・プロジェクトならびにそれ以外のAI倫理なども含む重要テーマに関連する各種探索的研究も推進していく。
株式会社ソニーAI代表取締役 CEO 北野宏明氏とavatarin株式会社代表取締役 CEO 深堀昂氏は次のようにコメントしている。

株式会社ソニーAI 代表取締役 CEO 北野宏明氏のコメント
『アバターまたは遠隔制御ロボットは、人間の物理的存在なしで多くの作業やコミュニケーションを可能とします。本格的な実用に耐えるアバターには、ロボティックス、センサー、AI、ユーザ・インタラクション、高速通信など広範な技術を結集させること、さらに、多くのアバター群(アバター・フリート)を定常的に高い信頼度で安定稼働させるためのフリート・マネージメントやサービス・マネージメントのノウハウが必要となります。
物理的な接触や移動が制限される状況下やハイリスクな環境においても、物理的な作業を伴う様々な遠隔ロボットソリューションの需要が増すことも予想されます。ソニーAIはavatarinとのコラボレーションを通じて、アバターによる新たな社会基盤を確立し、社会生活の次元を上げていくことを目指します。』

avatarin株式会社 代表取締役CEO 深堀昂氏のコメント
『これまでANAは、世界中の人を繋げ社会に貢献するという目標を追い求めて、ヘリコプター2機のベンチャーから始まり日本最大のエアラインへと成長してきました。ただエアライン全体のユーザー数は未だに世界人口のたったの6%に過ぎません。より大勢の方々が自由に繋がることができる手段として生まれたのが、avatarinプラットフォームです。人々がインターネットを経由して、自由に世界中の遠隔操作ロボット(アバター)に自分の意識・技能・存在感を伝送してコミュニケーションおよび作業を行う新たなプラットフォームです。avatarinは、ソニーAIと共に、かつて未来を示して登場したインターネットやスマートフォンが進展してきたように、汎用的で誰もが気軽に使うことができる次世代アバターの開発、また人々が、空間的な制約や身体的な制約を超えてリアルタイムにリアルワールドで繋がり、通常時だけでなく、緊急時においても互いに支え合うことができるアバター社会インフラの構築および社会実装をスピーディに目指します。』

関連サイト
avatarin
ソニーAI

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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