大和ハウス工業 先進のIoTを活用した戸建住宅「コンセプトハウス」を藤沢市にオープン 展示と実証実験のため

大和ハウス工業株式会社は、戸建住宅のIoT化に向け、コンセプトモデルの展示と実証実験を目的とした「コンセプトハウス」を、戸建分譲住宅地「セキュレアシティ藤沢 翼の丘」(神奈川県藤沢市)内において、2020年6月6日よりオープンすることを発表した。同社が展開するコネクテッドホームブランド「Daiwa Connect(ダイワコネクト)」の提案にもとづくもの。


在宅で仕事や教育、買い物などICTを活用して効率的に行うスタイルへ

昨今、地震・台風等の突発的自然災害、働き方改革に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりテレワークを実施する企業が増加するなど、「くらし=家の中での過ごし方」の在り方が変化している。「コンセプトハウス」では、「家で『仕事や教育、買い物など多岐に渡ること』をしなければならない」という生活変化に合わせて、IoTを活用することで、距離や時間の課題を解決するサービスのモックアップおよび事例動画での展示を行う。
また、「家族」「建物」「情報」を統合することで、将来的に「くらし」の最適化を図ることができるかどうかの実証実験も行う予定だ。


画像左は、同住宅の壁面の一部に、プロジェクター2台を使用した大画面とインターネットを通じて、人との繋がりをつくるIoT空間「(仮称)α-rium((アルファリウム)」、画像右は、住まいの状態や家族間の情報を共有するコミュニケーションIoTディスプレイ「(仮称)α-board(アルファボード)」の試作展示画像となっている。

同社はこれらの「くらし」の変化に対応するとともに、ニューノーマル時代を見据え、戸建住宅内のIoT機器等を繋ぐサービスプラットフォームの構築および販売を目指し、開発を進めると述べており、今後も、IoTを活用することで、居住空間の自由度を向上させ、「くらしのフレックス化」を目指すとしている。



「コンセプトハウス」でできること

同住宅では、同社が目指すIoTを活用した「くらし」のモックアップを展示と共に、サービスプラットフォームの開発と「コンセプトハウス」での実証実験が行われる。また、複数の先進的なIoT機器の体験が可能が可能だ。


IoTを活用した「くらし」のモックアップの展示

「コンセプトハウス」では、住まいのIoT化を通じ、「家族の健康」「建物の健康」「コミュニケーション」の3つのコンセプトを中心に実証実験を行う。入居者の家族構成やライフスタイルに合わせてカスタマイズした様々な機器やサービスを組み合わせることで、「くらし」に合わせたIoTの実現を目指している。

●【家族の健康】-毎日測る家族のヘルスケアデータ-
家族のヘルスケアデータ(体温、体重、血圧、睡眠状態)を日々蓄積し、そのデータに変化があった際に通知する。また、将来的にはホームドクター(掛かりつけ医)にデータを提供し、遠隔診療や健康のアドバイスを受けられる仕組みづくりを目指す。


●【建物の健康】-災害や被害に備える安全・安心-
「建物の健康」は、「災害や被害に備える安全・安心」と「日常のメンテナンス」の2つの側面から検討するが、同住宅では「災害や被害に備える安全・安心」をコンセプトとした。自然災害の増加が「くらし」にとって重大な懸念となっている中、災害が予想されると、避難情報や今すべき行動を通知する。また、災害時には、家庭用リチウムイオン蓄電池やエネファームが自動的に蓄電・貯湯、シャッターも自動で閉められるなど、建物自らが建物だけでなく、ご居者を守る機能の搭載を目指す。


●【コミュニケーション】-家族のコミュニケーションを創出-
家庭内のコミュニケーションだけでなく、離れた場所にいる親戚や友人とも円滑なコミュニケーションがとれるよう、テレビ電話や大型プロジェクターなどデジタルコミュニケーションツールを搭載。お互い離れた場所にいても、誕生日会等のイベントも開催できる。




サービスプラットフォームの開発と「コンセプトハウス」での実証実験

2001年より住宅とIoTの融合を目指して研究に取り組んできた同社が、2017年に住環境にまつわる課題解決をサポートするためのサービスの具体化を目指したのが「Daiwa Connect」プロジェクトだ。
同プロジェクトの第一弾としてAIスピーカーを活用したサービスの提案を開始したが、購入者の中から、「一定の知識がなければ設置や運用ができない」「どのようなIoT機器を導入したらいいのか分からない」 といった声が多く上がった。これらの声に応えるために、「誰でも、すぐに使えるスマートホーム」の提供を目指し、は新たなサービスプラットフォームの開発に着手した。同サービスプラットフォームの基幹システムには、導入時に機器との接続や初期設定を容易にするだけでなく、様々な機器を一括制御できるホームゲートウェイを採用。「コンセプトハウス」内に設置した様々なIoT機器を、ホームゲートウェイが制御することで、安定的な動作と機器管理を行えるかどうかを検証する。なお、 実験期間は2020年6月6日~9月30日を予定している。




複数の先進的なIoT機器の体験が可能

同住宅では「(仮称)α-rium((アルファリウム)」「(仮称)α-board(アルファボード)」の他、複数のIoT機器を展示した。最新デバイスを複数設置し、ユーザーの趣向を調査した上で商用化を目指す。

▼ 設置される主要なIoT関連機器

(仮称)α-rium 縦200cm×横250cmを2面に設置した巨大プロジェクター。大画面を活かしたシアター機能に加え、通信機能を備える。「その場にいるような」コミュニケーションが可能。テレワークや遠隔医療、遠隔学習など、将来当社が実現を目指す新しい暮らし方を提案。
オープン時体験可否:動画でのイメージデモ(遠隔医療、遠隔学習、バーチャルスポーツ、バーチャルトラベル、バーチャルショッピング、スポーツ観戦、テレワーク)
(仮称)α-board ダイニングに設置した、大画面タッチパネル。IoT機器や電力の使用状況表示、制御インターフェースとして利用できるだけではなく、今後は住宅設備情報とも繋がる予定。あわせて、カレンダーやホワイトボード機能も備えているため、家族で大画面を見ながら予定を立てられるなど、家族間のコミュニケーションの活性化を目指す。
オープン時体験可否:体験可能
IoTミラー モーションセンサーで健康状態を把握し情報を表示。他にも、電車の運行情報や家族のスケジュールなども、一目で確認でききる。
オープン時体験可否:デモ画面表示
temi」 コミュニケーションロボット「temi」は、AIアシスタント機能を持った自律走行するパーソナルロボット。どこからでも、スマートフォン等で宅内の様子の確認や「自らがあたかもそこにいるような」コミュニケーションが可能。
オープン時体験可否:体験可能
ドアフォン・電気錠 スマートフォンと連動し、外部に居ながら操作が可能。「temi」との組み合わせで、不在時の来客対応も可能。
オープン時体験可否:体験可能
「D-HEMS 4」 ホームエネルギーマネージメントシステム「D-HEMS 4(ディー・ヘムス・フォー)」は、住宅の発電・売電・電力使用状況がモニターのトップ画面で確認可能。エアコンや照明、シャッターなどの機器をLINEで遠隔操作でき、「おはよう」や「ただいま」のシーンで音声操作も可能。気象情報や避難情報、インフラ情報も、災害時と警報発令前に防災準備を促す。
オープン時体験可否:体験可能
血流認証式電気錠 指の血流パターンを認識させることで、個人を認証し、登録した人だけが玄関扉の電気錠を開錠できる。偽造することは不可能で、鍵のように紛失する恐れが無い。また、インターネットに接続することにより、認証した血流から「誰が帰ってきたか」を判断。指定した連絡先へショートメッセージサービスで通知することが可能。
オープン時体験可否:体験可能

▼「セキュレアシティ藤沢 翼の丘」内のコンセプトハウス概要

所在地 神奈川県藤沢市本町4丁目1470-67(地番)
オープン期間 2020年6月6日~2020年9月30日(予定)
構造・間取り 軽量鉄骨造2階建て・4LDK+WIC+納戸

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ロボスタ編集部

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