日本ディープラーニング協会の理事長 松尾豊氏がTelexistenceのAI技術顧問に就任予定 「ロボティクスとAI領域で最高難易度の取組み」

Telexistence株式会社(以下、TX)は東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻教授 松尾豊氏がAI技術顧問に就任予定であることを発表した(現在、東京大学で最終承認手続中)。
 
松尾氏は人工知能、特にディープラーニングとウェブ工学の専門家であり、東京大学を拠点に研究開発・人材育成・社会実装を通じて社会に変革をもたらすことを使命として、各種研究活動を進めている。2017年には日本ディープラーニング協会を設立。理事長に就任し、情報発信や公的機関への提言、国際連携の促進などに取り組んでいる。

TX社は遠隔操作技術と人工知能を用いて、工場の外で、より人間の生活領域に近い場所でロボットを普及させることを目指している。これに際し、最も先進的なAI研究の第一人者であり、実社会においてAIの実践的な活用に高い意欲をもつ松尾氏を加えることが大きな力になると考えていた。一方、松尾氏も日本から世界を舞台に活躍するスタートアップを輩出することに積極的であり、TXの取り組みに高い関心があったことがが今回の就任へとつながったという。






松尾氏とTX社CTO佐野氏のコメント

松尾氏のコメント
「TXの事業はロボティクスとAIの領域では最高難易度の取り組みであり、客観的な成功率は正直なところ五分五分だと思っています。一方これを言い換えると、TXはこの最高難易度の事業を創業から3年で五分五分にもってきたということでもあり、とても高いポテンシャルがあると考えます。もしTXが遠隔操作ロボット事業で突破口を開いたならば、投資価値の向上はもとより、世界を変えることにつながると信じています。次世代を担う人材からなるTXの挑戦を、主に技術と人材確保などの角度から最大限応援したいと考えています。」

CTO佐野氏のコメント
「松尾先生は、日本の技術産業が、人工知能の分野で世界的に飛躍するためにどのように成長すべきかを、長期的な視点で考えている数少ない研究者だと思います。特に、機械学習を用いたロボット自動化という分野において、日本が世界をリードする可能性をを見いだされていることは大変心強く思います。松尾先生が提唱する、機械学習を学習環境として精緻化するシミュレーションの構築や、それを用いた強化学習アプローチなどは、今後のロボット業界で間違いなく必要となると考えます。松尾先生に顧問としてご就任いただくことにより、TXのロボットが、現在の遠隔制御から遠隔制御データを利用した模倣学習などの自動制御へ移行することを後押しするものと確信しています。」



松尾豊(まつお ゆたか)氏のプロフィール


1997年 東京大学工学部電子情報工学科卒業
2002年 同大学院博士課程修了.博士(工学).同年より,産業技術総合研究所研究員
2005年10月よりスタンフォード大学客員研究員
2007年10月より,東京大学大学院工学系研究科総合研究機構/知の構造化センター/技術経営戦略学専攻 准教授
2014年より、東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 グローバル消費インテリジェンス寄付講座 共同代表・特任准教授
2019年より、東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻 教授
2002年 人工知能学会論文賞、2007年 情報処理学会 長尾真記念特別賞受賞
人工知能学会では2012年〜14年 編集委員長、2014年~18年 倫理委員長
2017年より日本ディープラーニング協会理事長
2019年よりソフトバンクグループ社外取締役
専門は人工知能、Webマイニング、ビッグデータ分析、ディープラーニング


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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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