写真素材販売のPIXTAがAI機械学習用の教師データ画像を販売へ Annotation Oneでアノテーションして納品も可能

写真・イラスト・動画・音楽素材のマーケットプレイスを運営する、クリエイティブ画像販売サービスのピクスタ株式会社(以下PIXTA)は、機械学習・深層学習向け教師データ作成サービス「Annotation One」を提供するグローバルウォーカーズ株式会社と提携し新サービスを開始することを発表した。
この新サービスは、写真素材を取り扱うPIXTAが持っている膨大な「日本人画像」の中から、クライアント企業がAIに学習させる内容に合わせて選定して提供する。その際、Annotation oneを利用し、画像データに適切な情報をタグ付け(アノテーション)を施し、機械学習用教師データの画像素材として最適な形式にして販売するというもの。


これにより、多くのクライアント企業は、有効な教師データを短期間で作成できるようになり、機械学習・深層学習の開発スピードを向上させることができるようになるという。



Web制作画像ストックから機械学習支援へ

PIXTAはプロ・アマチュアとわず誰もが自ら制作した写真・イラスト・動画・音楽をインターネット上で売買でき るデジタル素材のマーケットプレイスだ。
2006年の開業以来、様々なジャンルのメディア向けに豊富なイメージ画像・動画・音楽を取り揃えており、現在では5000万点を超える素材を誇っている。


機械学習用の教師データなど、素材画像は、著作権法の改正などでだいぶ扱いやすくなったとはいえ、大規模な収集となると、工数面、コンプライアンス面での確認事項などが多い。機械学習などを利用したビジネスの開始を検討するレベルとなると、なおさらだ。
しかし、日本人にフォーカスした機械学習用素材を準備するにあたって、商用利用の許可が取れている日本人の画像が多いという国産画像素材販売サービス、PIXTAの画像であれば、コンプライアンスなどに悩まされずにAIの開発に乗り出すことができるだろう。


精度の高いアノテーション作成のための業務提携

多数の画像データを確保することはPIXTAから入手する目処がついたとしても、そのままでは教師データ化することは難しい。
教師データとするためには画像のどの部分に何が写っているのかをタグ付けしていくことがが必須だ。
このアノテーション作業の工数は画像点数に比例して増加し、正確性も求められるため、膨大な工数とノウハウ、そして、それに合わせた組織構築が必要となる。
その点を解決したのが、グローバルウォーカーズ社との提携だった。
グローバルウォーカーズ社は、ディープラーニング(深層学習)・画像処理技術の領域で高度な技術と知見を保有しているAIテックベンチャーだ。
研究開発型のAIスタートアップとして、画像処理技術・3D姿勢推定・AI-OCRなど多岐にわたる研究開発を行っており、特にAI学習用教師データの作成・運用を安全・高品質かつ低価格で提供できるクラウド型アノテーションサービス「Annotation One」は、国内の主要な自動車会社をはじめとした大手製造業や、AI導入を進めている企業から高い評価を得ている。

■アノテーション例

対象となる物体の画像やテキストを四角い矩形にくくり、X/Y座標の2次元データを付与する外接矩形(Bounding Box)はセキュリティ関連、製品の外観検査、農業、自動運転、WEB上での画像での検索など、多岐にわたる用途で利用される。
この他にも、画像の1画素単位でどの物体のカテゴリーの範囲であるのかタグ付け、クラス分けしていく領域分割(Semantic Segmentaion)や、画像や動画データの中から人物の姿勢を推定する骨格データ付与(Key Point)などのアノテーションも用意している。

そのAnnotation OneをPIXTAの豊富な素材に適用することで、ユーザーの要望に合わせたアノテーションを施し、納品することができるというわけだ。
具体的な数字を挙げると、外接矩形アノテーションでタグ数が5-10の場合であれば、5000枚を約2週間ほどで納品することができるのだという。
また、営業窓口はグローバルウォーカーズ社となっていることから、必要な画像の点数や最適なアノテーションなどの相談についても期待できそうだ。
今後、様々な分野でのAIの開発が本格化していくことが予想されている。日本人向けのサービスの実装において切実な要求となってくる教師データの作成サービスは高い需要を見込むことができるだろう。


幅広く展開していく両社。今後の展開は

この提携を皮切りに汎用的に利用可能なオリジナルのデータセットのパッケージ展開も検討している。自動運転、スポーツ、医療ヘルスケア、外観検査など多岐にわたるパッケージ展開も視野に、国内のAI開発を支援し「多様性を内包した持続可能な社会」の実現に貢献していくという意気込みを語っている。

今後、様々な分野で労働者の不足が予想されている日本において、AIで強化された労働者やサービスは普遍的なものになっていくことが予想される。
煩雑でありながらも正確さが要求されるアノテーションや、教師データ画像の収集に関してはピクスタ、グローバルウォーカーズにまかせ、AI開発を推進する各社には、得意分野でのスピーディな開発に邁進して独自色のあるサービスを作っていってくれることを期待したい。


関連サイト
■ピクスタ株式会社
日本語版サイトURL
■グローバルウォーカーズ株式会社
コーポレートサイト
Annotation One

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梅田 正人
梅田 正人

大手電機メーカーで生産技術系エンジニアとして勤務後、メディアアーティストのもとでアシスタントワークを続け、プロダクトデザイナーとして独立。その後、アビダルマ株式会社にてデザイナー、コミュニティマネージャー、コンサルタントとして勤務。 ソフトバンクロボティクスでのPepper事業立ち上げ時からコミュニティマネジメント業務のサポートに携わる。今後は活動の範囲をIoT分野にも広げていくにあたりロボットスタートの業務にも合流する。

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