高専学生団体がDJロボット『Lynx』の開発を目指す クラウドファンディングで資金を募集 2021年8月中旬に東京都内でパフォーマンス

高専学生団体DJ Roboticsはロボットと人が一体となって「わくわく」「感動」が出来るテーマパークを作ることで、「ロボットと人が共存するような社会」の実現を目指している。その第一歩として『世界を回す』様なDJロボット『Lynx』を制作している。すでに試作機が完成している状況だが、試作機のモータなどは借り物であるため、返す必要がある。そして、スピード感を持って、よりクオリティーの高いロボット開発を行うに膨大な資金が必要。

こういった経緯からDJ Roboticsは 2020年11月25日より、2021年8月中旬に東京都内で開催予定の「DJ Robot Lynx お披露目イベント」に向けたクラウドファンディングを実施している。目標資金は120万円。


資金の使い道


DJ Roboticsが実現したい未来

DJ Roboticsが実現したい未来は「人とヒト型ロボットが共存することで、よりロボットが身近な場所で人の為に活躍できるような社会」。

日本は超高齢社会よって近年、介護ロボットの需要が高まりつつある一方で、介護ロボットなど人の身体などに直接触れるロボットを使用者が「怖い」という感情を抱く現状もある。これらはロボットの動く速度や表情などに要因があるという研究もある。

DJ Roboticsは上記の課題の一番の原因は人の生活空間内にロボットがほとんど存在しない現状が根本的なものであると考えている。このことから「人と空間的なコミュニケーションが可能なロボット」の開発を行うことで、人とロボットの距離が縮まるようなアイデアを提案している。このアイディアは東京都主催のコンテスト「TSG2020」にて約1470人中からセミファイナリストに選出された。


チームメンバー

その一歩として、クラブミュージックが大好きなDJ Roboticsリーダー山崎くん(高専 専攻科2年(大学4年同等)に所属)はロボット1台に対し大人数での空間的なコミュニケーション(空気感の共有)が可能なヒト型DJロボットの開発を行っている。





目標と将来のビジョン

DJロボット『Lynx』の開発は第1目標を2021年8月とし、「自前部品でハードを製作」「外装の装着」「SNSとのリンク」を行う。完成した暁にはイベントにて『Lynx』がパフォーマンスを行う。設定ではロボットは自らの意思で動くが、実際のロボットの中身はAIが観客とTwitterを観察し選曲、または新たな曲や音を生み出すことで、ロボットと人の空間的なコミニケションやインターネット上でのコミニケションが相互に可能となる。




試作機は実験・動作確認・プログラムの作成のため製作。試作機で浮き彫りとなった問題や課題を明確にする。

1号機(Lynx)では構造や動きだけでなく、見た目の部分でもより親しみを持てるよう、外装を付けて無骨さを無す。(画像はロボットハンド完成イメージ)

ロボットデザイン案

第2目標は2022年12月に2号機の完成。将来的には手で作業を行えるヒト型ロボットの開発を行う。このロボットは汎用性を持たせて、より多くの生活空間(例、イベントや遊園地で、利用者の誘導や整列作業。一人暮らしの人の買い物や家事のお手伝いロボットとして)で活躍できることを期待しているという。また、エンターテイメントや地域復興など様々なシーンでの応用を視野に入れて、ロボットがより身近な存在になる社会を実現していきたいと考えている。

 

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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