自動運転対応の超小型モビリティを使ったオンデマンドタクシーと物流を広島県で実証実験 PerceptInや富士通の技術を活用

PerceptIn Japan合同会社(以下、パーセプティン)は株式会社マクニカと連携して、国土交通省の「スマートアイランド推進実証調査」に採択された大崎上島町スマートアイランド推進協議会が富士通と共同で実施する『オンデマンド交通技術と小型自動運転車両を活用した島内の新たな交通・物流手段の確立を目指す実証実験』に、自動運転技術と低速電動車両を活用した「自動運転プラットフォーム」を提供することを発表した。


超小型モビリティ活用した交通と物流

実証実験1.オンデマンド交通技術・自動運転車両を活用した交通
白水港と垂水港の区間を移動したい利用者がウェブサイトや電話により乗車時間を予約すると、「オンデマンド交通サービス」を介してセーフティードライバーが乗車する自動運転車両に予約情報がコールセンターから連絡され、指定時間に指定場所に迎車。乗車した港からもう一方の港へ利用者を送迎する一連の流れや車両の運行管理などについて実証実験を行い、有効性を検証。自動運転車両への試乗は、関係者および町民の応募者から選定する(アンケートなどの協力依頼あり)。

実証実験2.オンデマンド交通技術・自動運転車両を活用した物流
白水港、垂水港近傍の宅配利用者が同様に両港近傍の事業者を想定した宅配品提供者に対して電話で商品を注文し、宅配品提供者が商品を配達するため、自動運転車両による運送を電話やウェブサイトで予約。その後、「オンデマンド交通サービス」を介してセーフティードライバーが乗車する自動運転車両に予約情報がコ ールセンターから連絡され、自動運転車両で利用者に配達する一連の流れなどについて実証実験を行い、有効性を検証。


走行ルート

実証実験ではパーセプティンの「PerceptIn DragonFly 自動運転ソリューション」によって自律走行を可能にした2人乗りの超小型モビリティ「macniCAR-01」を使用。超小型モビリティは、地域の手軽な移動の足として主に近距離輸送に利活用するために、安全・環境性能が低下しない範囲で一部の基準を緩和された、運行地域限定での公道走行が可能な車両。マクニカは、macniCAR-01の提供のほか、自動運転の実装作業や運行管理等の支援を行う。実証実験は2020年12月17日〜12月20日(日)まで。


macniCAR-01

なお、実証実験を実施するにあたり、損害保険ジャパン株式会社が自動運転実証実験のリスクアセスメントを実施した。損害保険ジャパンは自動運転の更なる普及に向けて、自動運転走行の安全面を支えるインシュ アテックソリューション「Level IV Discovery」の商品化を進めていく。


パーセプティンの超低コスト「自動運転プラットフォーム」

パーセプティンは低速走行の車両に最適なLiDARや高精細3Dマップを使用しない超低コストの「PerceptIn DragonFly 自動運転ソリューション」を開発しており、これには次のような特徴がある。

ローカリゼーション
GPS(RTK-GNSS)の位置情報に、コンピュータビジョンのVisual SLAMと視覚慣性オドメトリ(VIO)とを統合することよって、正確かつ強靭な自己位置姿勢推定を行う

パーセプション
コンピュータビジョンのディープラーニングは、独自の認識アルゴリズムを実行して、障害物の正確な空間情報と意味情報を抽出する

マップシステム
GPSによる車線情報と目的地情報によって、既存のデジタルマップ(OSM)を拡張してルールベースのルートマップを作成する。

PerceptIn DragonFly 自動運転ソリューションによって自律走行を可能にしたLSEVやロボット、AGVなどは用途に応じた自動運転車両と自動運転車管理システム(FMS)とを統合したパーセプティンの自動運転プラットフォームを利用することで、オンデマンドバスやタクシーなど、地域のニーズに応じた様々なモビリティ・アプリケーションを構築することができる。



今回の実証実験では、富士通のオンデマンド配車サービス「FUJITSU Future Mobility Accelerator オンデマンド交通サービス」が、モビリティ・アプリケーションとして自動運転プラットフォームと連携する。


広島県豊田郡大崎上島町

広島県豊田郡大崎上島町では近年、ドライバーの高齢化や人材不足、利用者の減少が深刻化し、公共交通機関の維持が危惧されている。また、町民の多くが自家用車などを利用しているが高齢化に伴い運転が困難になるため、安心・安全かつ利便性の高い新たな移動手段の確立が重要なテーマになっている。この課題を解決するため、国土交通省が離島特有の課題解決に向けて2020年5月に公募したICTやドローンなどの新技術を離島地域で実装する「スマートアイランド推進実証調査」に応募し、大崎上島町が選定された。

これを受けて大崎上島町スマートアイランド推進協議会は富士通と共同でデジタル技術による島内の新たな交通・物流手段の確立を目指す実証実験を2020年12月17日から大崎上島町の白水港と垂水港の区間で実施する。なお、大崎上島町スマートアイランド推進協議会を構成する4社・団体と実証における役割分担は以下の通り。

株式会社富士通総研 協議会代表団体。実証実験全体の統括・調整・実施、効果検証、とりまとめなど。
大崎上島町 現地関係者との調整、実証に必要な統計データの提供など。
さんようバス株式会社 大崎上島町内の交通網に関する知見提供、実証における課題抽出など。
広島商船高等専門学 陸上・海上交通における知見提供、実証結果と今後についての考察など

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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