ソフトバンク CO2(二酸化炭素)の吸収量をリアルタイムに可視化する実証実験を「YKKセンターパーク」で開始 SDGsの課題解決へ

ソフトバンク株式会社は農業AIブレーン「e-kakashi」(イーカカシ)のCO2吸収量推定システムを活用して、緑地におけるCO2(二酸化炭素)の吸収量をリアルタイムに可視化する実証実験をYKK株式会社と共同で開始したことを発表した。同実証実験はYKKが富山県黒部市で整備を進める「YKKセンターパーク」で、2020年11月から2021年3月末まで実施する予定。


CO2吸収量推定システムの精度や有用性を検証

CO2吸収量推定システムは気象データと「e-kakashi」の各種センサーから取得する地温(地中温度)などの環境データに独自のアルゴリズムを組み合わせて、芝生や森林などの緑地におけるCO2の吸収量をリアルタイムに可視化するもの。センサーから取得するさまざまな環境データと独自のアルゴリズムを活用することで、精度の高い数値の推定が可能。当日から8日後までのCO2の吸収量を推定することができ、日々のCO2の吸収量や過去の累積データをグラフやイラストで分かりやすく可視化する。


「e-kakashi」のCO2吸収量推定システムのモニター画面のイメージ

実証実験では「YKKセンターパーク」に「e-kakashi」を計2セット設置して、CO2吸収量推定システムの精度や有用性を検証する。(各種センサーを取り付けた環境データ取得用の子機と、子機から取得したデータをクラウドに送信する親機を1セットとする)


「YKKセンターパーク」/実証実験のために設置した「e-kakashi」


CO2排出量をリアルタイムに把握することが困難

地球温暖化が深刻化する中でCO2の排出量削減に向けた動きが世界的に加速している。こうした社会状況に伴い、さまざまな企業が環境経営を推進してCO2の吸収につながる森林づくりや、事業所における緑化活動などに取り組んでいる。しかしながら、こうした緑地におけるCO2の吸収量は、樹種や森林面積などをもとに概算値を年単位で算出することが多く、精度の高い数値をリアルタイムに把握することが困難だった。

農業を支援する「e-kakashi」は2015年から提供されている。IoTセンサーを活用し、田畑から環境データを自動で収集。そのデータをAI(人工知能)で分析することで、最適な栽培方法を提案する。
今回「e-kakashi」のサービスの一環として新たに企業の環境経営を支援することを目指し、同サービスの技術や環境データに関する知見を生かして、CO2の吸収量をより効果的に把握するシステムを開発。

ソフトバンクは「SDGs」(持続可能な開発目標)の課題解決を重要な経営課題と捉え、「テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献~カーボンニュートラルと循環型社会の実現~」をテーマの一つに掲げ、さまざまな取り組みを行っている。同システムを通して、地球環境へのさらなる貢献を図っていくとしている。


YKKグループと「YKKセンターパーク」

今回、共同で実証実験を行うYKKグループは「YKKグループ環境ビジョン2050」や「YKKサステナビリティビジョン2050」を策定し、2050年までに「気候中立(climate neutral、実質排出ゼロ)」を達成するために、CO2などの温室効果ガスの排出量削減を目標の一つとして掲げている。

「YKKセンターパーク」にはYKK創業者 吉田 忠雄氏が理想とした森の中の工場の実現に向けて2008年から整備を進める「ふるさとの森」があり、黒部市に原生している樹木の種子を採取して育てた苗木20種類計2万本が植樹されている


「YKKセンターパーク」

今回の実証実験で可視化したデータはYKKが森づくりの成果測定や訴求などに活用していく。またYKKは、国内外の各拠点の緑地においても「e-kakashi」などのテクノロジーを活用した取り組みの検討を進めるなど、環境経営を一層強化していく予定。

ソフトバンクとYKKは小中学生向けに、緑地におけるCO2吸収の仕組みの理解促進や環境保全の意識醸成に役立つワークショップなどの開催を検討して、地球温暖化防止へのさらなる貢献を目指す。また、ソフトバンクは今後、緑地の創出・保全などに取り組む企業の他、環境に配慮したスマートシティやスマートビルなどに取り組む企業・自治体での活用を視野に同システムのサービス提供を検討していく。

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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