パナソニック株式会社インダストリアルソリューションズ社(以下、パナソニック)は高調波センサとAIの組み合わせによる「AI設備診断サービス」の提供を2021年4月(予定)より開始することを発表した。
サービス開発の背景
製造現場では保全と呼ばれる設備のメンテナンス作業が行われている。設備の故障停止を確実に回避するための作業が高頻度・高コスト化していることは大きな課題であり、設備の状態変化に応じた適切なタイミングでの保全を実施するソリューションが求められている。この課題に対応するため、パナソニックは業界初(パナソニック調べ)となる高調波センサとクラウド上のAIの組み合わせによって設備の状態変化を検知する「AI設備診断サービス」を開発した。
同サービスでは設備の状態変化が現れやすい電流内の高調波領域をセンサでモニタリング。機械要素部品が「いつもと違う」状態に変化したことを検知し、利用者へ通知する。利用者は設備の状態変化に応じた保全が可能となり、設備停止のリスク回避や保全費の低減を実現できる。加えて、作業者が設備に触れることなくリモートで診断でき、既存設備を止めずにセンサの後付けで導入が可能なことから、製造現場における感染症リスクの低減も期待できる。
AI設備診断サービスの特長
1.専用センサで設備の状態変化が現れやすい「電流内の高調波」をクリアに取得
同社が独自開発した高調波センサは一般的な電流センサでは難しかった機械要素部品の状態変化が現れやすい電流内の高調波領域の波形変動をクリアに取得することが可能。また、振動センサで設備診断を行う際に課題となることの多い診断対象の周囲の振動にも影響を受けることがなく、高いセンシング性能を実現している。
2.計測データから診断に必要な部分を抽出して分析精度を向上
一般的に設備の寿命を予測するにはセンサから収集したデータをもとにAIなどによって分析を行う。同サービスではAI分析の前に設備の動作特性に基づいてデータの重要部分の判定・抽出処理を実施。AIの学習期間の短縮と分析結果の精度向上を実現している。
3.設備本体でなく制御盤への設置で設備を止めることなく導入が可能
これまで、環境面や構造面から設備の本体にセンサを取り付けることが難しいという理由で設備診断を断念するケースがあった。また、センサを取り付けるために設備を止めることは避けたいというニーズもある。同サービスはセンサを設備本体ではなく、制御盤に設置することで導入できる。制御盤内コントローラの三相配線のうちの1本に挟むだけで設置でき、稼働中の設備に対しても後付けで簡単に運用を開始することが可能。
【基本仕様】
AI設備診断サービス
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。