ローカル5GやMRで「新たな観光体験」実証実験 NEC/凸版印刷/マクニカらが平城宮跡歴史公園で実施

日本電気(以下、NEC)、凸版印刷、マクニカ、コトバデザインは、ローカル5GやMR(複合現実)を活用した新たな観光体験の実現に向けた実証実験を2月26日から3月1日まで、奈良県の平城宮跡歴史公園にて実施することを発表した。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を図りながら集客力向上を目指す「新たな日常」における観光として、屋外の観光資源とICTの融合による新たな観光体験への期待が高まっている。このため、実証ではローカル5Gを活用し、MRによる新たな歴史文化体験とAI自然会話(以下、AIコンダクター)による新たな園内移動体験を提供する。

なお、今回の実証は総務省から受託した令和2年度「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」のうち「観光・文化分野におけるローカル5G等の技術的条件等に関する調査検討(MR技術を活用した新たな観光体験の実現)」として実施する。


1.ローカル5GとMR技術を活用した新たな歴史文化体験

平城宮跡歴史公園内の屋外の「復原遣唐使船」を舞台に、ダンサーのパフォーマンスにMRグラスに表示させたCG演出効果を重ね合わせることで舞台風歴史体験を実現する。


リアルな復原遣唐使船と演者にCG演出を重ね合わせたMR体験

複数の参加者のMRグラスからの情報収集や映像コンテンツの配信に低遅延のローカル5Gを活用することで、参加者の位置や移動に合わせた映像表示や、手の動きなどのジェスチャーに合わせた演出映像の参加者全員の共有などを楽しむことができる。


ジェスチャーによる共有体験

参加者の位置や移動に合わせた映像変化

これにより、通常の史跡見学では味わうことのできない、歴史空間に仲間と一緒に入り込む新たな歴史観光体験を実現する。


2.ローカル5GとAIコンダクターを活用した新たな移動体験

平城宮跡歴史公園の交通ターミナルを約5分間で周回する自動運転低速EVカート車内にAIコンダクターを搭載。手を車両から外に出したり、マスクを外して乗車した場合、車内映像をもとにAIコンダクターが注意アナウンスを行う。


8人乗り自動運転低速EVカート

また、参加者と対話し、参加者の関心に合った解説や案内を行う。車内の映像や音声をローカル5Gで低遅延で伝送するため、自然なアナウンスや対話を行うことができる。これにより、安全・安心かつ新たな関心を呼び起こす移動体験を実現する。


AIコンダクターとの対話

【実証における各団体の役割】

NEC 全体管理、ローカル5G技術提供
凸版印刷 MR技術、映像配信制御システム開発、コンテンツ制作
マクニカ 8人乗り低速EVカートと自動運転システム提供
コトバデザイン AIコンダクター開発
関連サイト
平城宮跡歴史公園

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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