NTTモビリティ株式会社は2026年7月1日、NTTグループの自動運転事業における安全性と信頼性のさらなる向上を目的とした内部組織「自動運転安全管理委員会」を設立したと発表した。外部有識者を委員に迎え、グループ全体の安全管理体制を強化する狙いだ。
事故事例の分析から演習計画までを一元的に推進
同委員会は、NTTグループ内外の有識者を含む複数の専門ワーキンググループのもとで運営される。具体的な活動内容として、次の4点を挙げている。
グループ共通の自動運転サービスにおける安全管理ルール・フローの整備および体系化
万一の事故発生時に備えた対応マニュアルの策定
グループ内外の事故事例に関する発生要因分析および再発防止策の立案
重大事故発生を想定した演習計画の策定および実施
NTTグループはこれまで、全国に広がる運用体制を活かして地域の交通課題解決に向けた自動運転関連の実証実験に数多く参画してきた。
米May Mobility社や仏Navya社への出資などを通じた自動運転車両の提供、IOWN構想をはじめとする通信技術の高度化にも取り組んでおり、今回の委員会設立はこうした取り組みの安全性・信頼性をさらに高める位置づけとなる。
法律・技術の両面から専門的に検証する3つのワーキンググループ
委員会は、NTTグループ内の関係部門と、法律・技術分野の外部有識者とで構成される。分野別に設置された3つのワーキンググループが、それぞれの専門的な視点から検討を行う。
コンプライアンスグループ:法令遵守の観点から安全性を確認・担保
テクニカルグループ:技術的観点から安全性と将来的な事業拡張への対応を評価・分析
インベスティゲーショングループ:国内外の最新動向・知見に基づき安全管理施策の高度化を推進
委員会を率いるメンバー
委員会のリーダーは、NTT株式会社執行役員でNTTモビリティ取締役も務める爪長美菜子氏。2020年に日本電信電話株式会社(現NTT株式会社)新ビジネス推進室担当部長に就任し、2023年に執行役員研究開発マーケティング本部マーケティング部門長、2024年に現職の研究開発マーケティング本部アライアンス部門長を歴任、2025年からNTTモビリティ株式会社でも現職を務めている。
コンプライアンスグループのリーダーは、松田綜合法律事務所マネージングパートナーで弁護士の岩月泰頼氏。名古屋大学未来社会創造機構客員准教授も務める。2005年に検事任命を受け東京地方検察庁ほか各地検に配属された後、2013年に松田綜合法律事務所へ入所。2021年には国土交通省の第7期先進安全自動車(ASV)推進検討会でシステム主導検討ワーキンググループ委員を務めた経歴を持つ。
テクニカルグループのリーダーは、株式会社サムズオフィス代表取締役社長の葛巻清吾氏。2016年に内閣府SIP第1期「自動走行システム」プログラム・ディレクターに就任し、2017年にトヨタ自動車株式会社常務理事、2018年に内閣府SIP第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」プログラム・ディレクターを歴任。2023年に株式会社サムズオフィスを設立し、現職に就いている。
NTTモビリティの取り組み
NTTモビリティ株式会社は2025年12月に設立された、NTTグループ全体の全国カバレッジ・技術・知見を集約する会社である。
自動運転の車両調達から導入、運用までを一体的に支援することで、自動運転の社会実装を加速していく方針を掲げている。今回設立した「自動運転安全管理委員会」は、その安全面での基盤づくりを担う組織として位置づけられる。
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