遠隔対話ロボットが新しいエンターテイメントを提供できるか? 大阪の博物館「NIFREL」で検証

株式会社サイバーエージェントの研究開発組織「AI Lab」および、大阪大学大学院基礎工学研究科の先端知能システム共同研究講座、株式会社海遊館の運営するミュージアム「NIFREL」(ニフレル)はムーンショット研究開発事業の一環である「遠隔対話ロボットで働く」をテーマにした実証プロジェクトの第3弾として、アミューズメントパークにて遠隔対話ロボットによる新しいエンターテインメント提供の実現可能性を検証する実証実験を行うことを発表した。


4つのフィールドで実証プロジェクトを実施

コロナ禍においてオンライン接客などの非接触型接客の浸透が進み、ロボットを活用した遠隔接客の有用性が注目される中、内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」のテーマの1つとして“アバター共生社会の実現”が掲げられている。

「AI Lab」と大阪大学大学院基礎工学研究科の共同研究講座は、石黒浩教授がプロジェクトマネージャーとして推進している「ムーンショット研究開発事業」の一環として、現時点での最新技術によるアバターロボット接客の実現可能性と課題の模索を目的に、2021年2月15日より「遠隔対話ロボットで働く」をテーマとした実社会における4つのフィールドで実証プロジェクトを進めている。

4つのフィールドにて、実証プロジェクトを実施

第1弾・第2弾では遠隔対話ロボットによる保育サポートや販売促進の実現可能性を検証する実証実験を実施。第3弾では三井不動産株式会社と連携し、同社が運営する大型複合施設「EXPOCITY」にある、「感性にふれる」をコンセプトとした生きもののミュージアム「NIFREL」(ニフレル)において、遠隔対話ロボットによる新しいエンターテインメント提供の実現可能性を検証する。


第3弾「遠隔対話ロボット×アミューズメントパーク」

現在、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、動物園や水族館などのアミューズメントパークでは、来場者が安全に楽しめるよう、感染症対策に配慮した案内や誘導の実施が必要とされている。

遠隔対話ロボットは操作者が遠隔から操作をすることで感染リスクなく接客ができるほか、ロボット自体の愛らしい見た目により人々を惹きつけ楽しませる魅力から、エンタメ・アミューズメント施設への活用が期待されている。このような背景から、今回の実証実験では遠隔対話ロボットが来場者に対し「安全な誘導」と「楽しいエンターテインメント体験」を両立して提供することの実現可能性を検証する。



NIFREL(ニフレル)は「感性にふれる」をコンセプトとした生きもののミュージアム。展示は8つのゾーン【いろにふれる、わざにふれる、およぎにふれる、WONDER MOMENTS、かくれるにふれる、みずべにふれる、うごきにふれる、つながりにふれる】に分けられ、多種多様な生きものが150種類2,000匹飼育されている。

具体的には8台のロボットを館内に配置し、3名のスタッフがロボットを通して来場客への注意喚起や館内案内・展示紹介を行う。また、展示に興味を持ってもらうための声掛けや動物に関するクイズ、来場客からの質問対応を通して、これまでにない安全で楽しい体験を提供するとともに、下記3点について調査する。期間は2021年3月15日〜2021年3月21日(日)まで。

1.遠隔対話ロボットの案内が来場客にどの程度受け入れられるのか
2.遠隔対話ロボットは、通常の接客に比べてどれだけ多くの刺激を提供できるのか
3.複数体のロボットを複数人のスタッフが操作する際に生じる利点や課題

「AI Lab」と大阪大学大学院基礎工学研究科は今後も、共同研究講座における実証を通して得た結果をもとにロボットによる遠隔対話の研究を進め、社会における実用化に向けた研究開発に取り組んでいくとしている。

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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