NVIDIAとBMWが作る「メタバース」デジタルツインの自動車工場を紹介 人と協働ロボットの計画プロセスを30%効率化【GTC 2021】

ディープラーニングとGPUの世界最大規模のイベント「GTC 2021」で、NVIDIAの創業者のひとりであり、CEOのジェンスン フアン氏(Jensen Huang)の基調講演(日本語字幕あり)がオンラインで公開され、その中でデジタルツインを実現しているBMWの事例が紹介された。

デジタルツインとはどういうものか、NVIDIA「Omniverce」で実践するBMWの最先端工場が紹介された

基調講演でHuang氏は冒頭「AIと5Gが第4次産業革命を起こし、自動化とロボティクスが世界中のあらゆるエッジに展開される。デジタルツインとなる仮想世界「メタバース」もさらなる奇跡として必要だ」と語った。


その上でHuang氏はまず、ロボティクス関連でシステム開発のためのシミュレータ「Isaac」(アイザック)や、未来のスマート工場や現場で環境に合わせてロボティクスシステムを開発するための「Omniverce」(オムニバース)に触れた。



デジタルツインとはなにか

第4次産業革命のキーワードのひとつに躍り出た「デジタルツイン」とは、リアル社会と仮想世界を意味し、産業界で使われているワードとしては、現実の工場や設備、生産ラインを忠実にデジタル空間で再現し、製品やオペレーションを含めてリアルタイムにリアルとデジタル空間を連携させたシステムのこと。





■GTC 2021 Keynote ロボティクスとNVIDIA「Omniverce」
(字幕と言語の指定で日本語表示可能) 9分10秒あたりから


デジタルツインをNVIDIAの「Omniverce」で実践するBMW

NVIDIAの「Omniverce」を使ったユースケースをBMWの工場を事例に紹介した。HUANG氏は「BMWは年間に200万台以上、1分に1台の自動車を生産し、同じものは1台もない。その最先端の工場は完全にデジタルツインを導入している。私達はBMWとともに未来の工場を作っている。それはOmniverceでシミュレーションされ、デジタルツインを実践、ロボットと人間が協働する工場が実現している」と説明。その様子をBMW社のMilan Nedelkovic教授とともに紹介した。


自動車のモデルやカスタマイズ、新車種の導入などで、ラインの配置などを頻繁に変更する必要があるという。



BMWの工場では5万7千人が就業し、その仕事を効率的で楽なものにするために様々なロボットと一緒に働いている、と説明。


従業員の動きは予め学習したモデルが組み込まれている。



ロボットは管理センターで遠隔監視され、万が一のトラブルも人間がサポートすることで回避できる。



■GTC 2021 Keynote デジタルツインを実現しているBMW製造工場の事例
(字幕と言語の指定で日本語表示可能) 12分30秒あたりから


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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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