NTTが分身ロボット「OriHime」で ICT×スポーツ×地域の共創プロジェクト「E Cheer Up!」を開始 第1弾はラグビーで相互交流

日本電信電話株式会社(NTT)と株式会社オリィ研究所、NTTコミュニケーションズのラグビーチームであるNTTコミュニケーションズシャイニングアークスは、遠隔操作型の分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を活用したICT×スポーツ×地域の共創プロジェクトを開始することを2021年4月20日に発表した。

同プロジェクト第一弾として、ラグビー選手と地域の人々を「OriHime」でつなぎ、新たな応援・観戦体験を実現することで、スポーツチームの活性化および地域活性化について2021年3月より検証を開始した。同検証は4月末まで行う予定だ。


背景となる経緯

NTTはグループ全体で障がい者の活躍推進や、コロナ禍においてフィジカルディスタンス確保と経済活動活性化を両立させたリモートワールドの実現に取り組んでいる。また、人類の孤独の解消を理念とするオリィ研究所は、コミュニケーションテクノロジーの研究開発によって新たな「社会参加」の実現をめざしており、互いの理念に共感した両社が協業することで、双方の企業価値向上と、より多くの社会的課題の解決に資するとの認識で一致し、2020年10月15日に両社は資本業務提携締結した。(関連記事「NTTとオリィ研究所が資本業務提携 5GやIOWN等の活用加速、障がい者やテレワーク雇用の拡大、アバターロボットの営業展開を視野」)

コロナ禍により外出機会が限られることで加速しているコミュニティの分断や、不透明な未来への不安、孤独を感じる人々に対して、ICTが実現できることを検証する同目的に、ラグビー選手のグラウンド外での活躍の場づくりを通じて、選手個々の価値や能力を向上させるべく、さまざまな社会貢献・浦安地域への貢献活動を進めているシャイニングアークスも賛同。この度、3社でICT×スポーツ×地域の共創プロジェクトを開始するに至った。


各社の実証実験参加の目的と役割

▼ NTT

目的 ICTを通じた、障がいをはじめとする制約をもつ人々のスポーツやエンターテインメントなどの文化的側面における社会参画の実現、研究所開発技術の検証
役割 NTTグループのリソースの活用および研究内容の検証、水平展開可能なプロジェクトの計画、構築

▼ オリィ研究所

目的 「OriHime」を活用した次世代コミュニケーションの検証(遠隔からのスポーツ応援、地域とスポーツチームとの連携強化、エンターテインメント体験など)
役割 「OriHime」の提供とイベント支援、プロジェクト全体管理

▼ シャイニングアークス

目的 ラグビー選手による地域貢献(浦安市)の実現、ファン交流による選手のモチベーション・パフォーマンス向上を目指す「2つのVの実現(Victory・Value)のためのプロジェクト」の取り組みの強化
役割 練習時および試合当日における「OriHime」の活用、ラグビー選手の参画、チーム活性化委の効果検証




第一弾実証実験の概要

「OriHime」による、地域の障がい者施設の子ども達とラグビー選手との新たな交流を実現すべく、浦安市の障がい者福祉施設とシャイニングアークスのラグビー選手専用施設へオリヒメを各1台導入。両拠点の「OriHime」を、施設に通う子ども、シャイニングアークスのチームスタッフが操作し、練習風景やクラブハウス「アークス浦安パーク」内の見学を行うことで、相互交流を3月に実施。また、「OriHime」を通じて地域のラグビースクールの子ども達に対するニューノーマルな観戦体験の提供を行う。


地域の障がい者施設の子ども達とラグビー選手との新たな交流を実現

【2021年3月17日(水)、25日(木)】
・シャイニングアークスの試合会場(秩父宮ラグビー場)に「OriHime」2台配置し、舞台裏見学や選手とのコミュニケーション、試合観戦を実施。
【2021年3月26日(金)】
・浦安市の障がい者福祉施設とシャイニングアークスのラグビー選手専用施設へ「OriHime」を各1台導入。両拠点のオリヒメを、施設に通う子どもとシャイニングアークスのチームスタッフが操作し、練習風景やクラブハウス「アークス浦安パーク」内の見学を行うことで相互交流を実施。

2021年3月26日に実施した際の様子

2021年3月26日に実施した際の様子
地域のラグビースクールの子ども達に対するニューノーマルな観戦体験の提供

【2021年4月25日(日)実施予定】
・試合当日に浦安ラグビースクールの子ども達をアークス浦安パークへ招待。「OriHime」を通じた試合当日のスタジアム観戦ツアー、ラグビー選手への応援を体験。
・試合開始後は、観客席に配置した「OriHime」を通じて試合を観戦。

▼ 同実証実験における検証内容
・ICTを用いた地域との交流がスポーツチームのスポーツビジネスにもたらす影響
・外出困難者のエンターテインメント体験による孤独の解消への影響
・本取り組みのスポーツチームと自治体での自走可能性




今後の展開

第一弾完了後は体験者層の拡大や他のスポーツへの展開可能性について、引き続き検討していく。また、NTTでは、身体労働を伴う業務が可可能な遠隔操作型分身ロボット「OriHime-D(オリヒメディー)」を活用し、障がい者の人が遠隔から、来訪者の受付や会議室への案内等を実施する受付業務を2020年7月より本格導入。これにより、ICTを活用して障がいを持つ方の遠隔からの就労を実現した。同グループは、ICTにより、就労や活躍推進だけではなく、障がいをはじめとする制約をもつ人々のスポーツやエンターテインメントなどの文化的側面における社会参画についても実現することで、よりインクルージョンな社会の実現に貢献していくと述べている。

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ロボスタ編集部
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