高知県は新しい時代の観光のカタチとして、ボディシェアリングロボット「NIN_NIN」を用いた新しい企画を2021年5月12日(水)にインスタグラムでライブ配信し、遠隔から「NIN_NIN」を使った観光を仁淀川で行う様子が実況中継形式で行われた。
なお、この発表に先駆けて5月6日(木)にティザー動画を公開、概要は知らされていた(関連記事「高知県がオリィ研究所のボディシェアリングロボット「NIN_NIN」で新しい観光体験、ティザー動画を公開 5/12に詳細発表」)。
肩乗りロボット「NIN_NIN」で高知県の観光を体験
「NIN_NIN」は現地にいる人が肩に乗せて歩く小型のロボット。オリィ研究所らが共同で開発した。カメラやマイクが装備されていて、遠隔地から「NIN_NIN」を通じて現地の人の肩に乗って景色を見たりコミュニケーションを体験できる。
高知県は「コロナ禍でも高知県を楽しんで欲しい」「地元の人たちとコミュニケーションして欲しい」ということで、観光企画にこの「NIN_NIN」を導入し、バーチャル観光を促進したい考えだ。当日の仁淀川はあいにくの雨模様。肩に乗った「NIN_NIN」も雨ガッパを着用して登場した。
予め「NIN_NIN」の中に入る人を募集、大阪から参加した観光客の女性が遠隔から「NIN_NIN」を操作して観光を疑似体験した。NIN_NINを通じて会話ができるほか、NIN_NINの手を上下に動かして呼びかけに対応したりした。仁淀川は雨で増水していたが、その様子が観光客には伝わっている様子だった。また、川の流れや雨の音が聞こえて、それもリアル感を高める大きな要素となっていた。
「NIN_NIN」のしくみは下記の通り。「NIN_NIN」のカメラを通して観光地の映像や音が遠隔地の観光客の手元のタブレットやスマートフォンに届けられる。
■NIN_NIN ✕ 高知の未来観光
ボディシェアリングロボットの可能性
ボディシェアリングロボットという意味は、他者の身体を共有(シェアリング)して、遠隔地からでもその場に参加し、イベントや観光、ショッピングの体験などができることから、そのように呼ばれている。例えば、障がいがある人でも、高知の人の身体を借りて、このように観光体験ができる。また、逆に視覚障害の人がNIN_NINを肩に乗せ、健常者がNIN_NINを通じてその人の目になって歩いたり誘導することもできる。
■Body Sharing Robot “NIN_NIN” PV (高橋鴻介氏)
【高知県観光キャンペーン「リョーマの休日」 概要】
期間 | 2021年4月1日(木)〜2022年3月31日(木) |
---|---|
場所 | 高知県下全域 |
内容 | 高知の自然、歴史、食、文化などを生かした多様性のある観光体験の提供、観光イベントなど |
特設サイト | https://kochi-experience.jp/ |
ABOUT THE AUTHOR /
神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。